【アニメ】若手に計算外のモチベーションを生む大きな要素は、もしかしたら「欠乏」 「CANAAN」安藤真裕監督インタビュー3

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1あやめφ ★
クールなユーザーに、「過剰な」フィルムで熱を届けたいと語る安藤監督。熱は、スタッフ
それぞれの個性という「不確定要素」を受け入れる余地を作ることで生まれるということでした。

それならば、個々人のエネルギーは、不確定要素を入れ込む「場づくり」をすることでこそ、
高められるのではないか?

スムーズには回るけれど、「こなし仕事」だけをするようなクールな職場にしないために、
「計算外を計算づくで」作っていくことはできないか。個々人のエネルギーは、どのような
環境にしたら高められるのか。最終回は、「計算外の環境作り」についておうかがいします。

―― 「CANAAN」のアニメーションを制作したピーエーワークスですが、今お邪魔しているのは
東京の支社で、本拠地は富山にあるのでしたよね。ということは、スタッフは富山にいるんですか?

■ 若手スタッフ、富山で働く

安藤 そうですね。音楽や声といった音響関係と美術、撮影を除くと、絵のセクションである
作画スタッフのほとんどと仕上げ(彩色)は富山にいます。

「CANAAN」制作時、ピーエーワークス内で東京にいたのは、監督の僕と、演出、作画監督
といった作画チーフの人。あとは、各セクションを回って連携を取る「制作」関連の人ぐらい
でしょうか。3D班も、「CANAAN」までは東京だったんですけど、もう引っ越して富山に行くんです。

この辺は、ピーエーワークス社長の堀川憲司さんが、地方で全ての工程をこなせる
アニメスタジオを作ろうと頑張っている最中ですね。

―― ということは、今までは、地方でアニメーションの全工程をまかなうことは難しかった。

安藤 デジタル化のおかげで、素材をネット経由でデータとしてやりとりできるようになったことが
大きいんでしょうね。堀川社長的には、全てのセクションが富山に行くのが理想なのかな。
堀川さんの願いも少しずつ実現しているようで、だんだん富山の方がメインになってきて。
そのうち、監督の俺だけが東京に取り残されちゃうんじゃないのかな、と思ったりしてね(笑)。

日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100331/213749/
続き >>2

関連スレ
【アニメ】工業製品に「まさか」を生ませる方法 「CANAAN」安藤真裕監督インタビュー2
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1270180297/
2あやめφ ★:2010/04/09(金) 22:46:49 ID:???
■ 高速バス6時間で行き来する

―― 実際に絵を描くスタッフのほとんどが東京にいない状態ですね。どのように連携して
フィルムを作られたのでしょうか。例えば、富山のスタッフと監督が直に話をすることは
あるんですか。

安藤 もちろん。今も隣の部屋から、スピーカー越しのしゃべり声が聞こえてきていますけど、
これはモニターに相手を映してネット経由で富山のスタジオと打ち合わせをしているんですね。

―― 先ほどから聞こえてきていたのは、テレビ電話の声なんですね。

安藤 ええ、ネットミーティングもありますし、僕やチーフスタッフが富山に行くこともあります。
明日も別作品の演出さんが、富山に行って打ち合わせをしてくるみたいですよ。
金、土、日で行って、向こうで1〜2泊。そういう感じで定期的に行っています。

―― 交通手段は?

安藤 高速バスでいくんですよ。6〜7時間ぐらい乗って。堀川さんがいろんな交通機関を
試したところ、値段的にも時間的にも、現状だとバスが一番だということで。バスが苦手なひとには
飛行機を使ってもらったり。ただ羽田まで行く時間や、富山の飛行場からスタジオまでの
移動を入れると、意外と時間がかかったりするみたいです。

―― ピーエーワークスさんは、創立が2000年の会社ですか。スタッフはお幾つぐらいの方が
多いのですか。

安藤 若いですよ。基本は20代の頭から、今は27歳ぐらいまでがメイン。業界に入って
一番長い人でもまだ5年ぐらいで、すごく若い現場ですよね。

―― 若手中心の作画のチームで、よくぞここまでクオリティの高いアニメーションが作れたな、
というところに素直に驚きます。

安藤 それはもちろん彼らの頑張りもありますが、やはり総作画監督の関口可奈味さんを
始めとして、各話の作画監督や演出家さんが全体の質を上げてくれているんです。
若いスタッフが描いたものを作画監督さんが修正して、スタッフがそれを見て勉強するという形で。

TVシリーズのタイトなスケジュールの中で、その指導体制に持っていくのは難しいんですが、
堀川さんがきちんとラインを引いて動かしてくれているんですね。

―― 一番上の方でもキャリア5年という状態だと、社内で先輩が後輩に教えるという
スタイルに持っていくのは難しい?

安藤 もちろん向こうでも若いキャリアなりにできる限り、先輩が後輩に指導はしています。
それは同じ場所にいる方が指導はしやすいし、リテイク(やり直し)を出すときもお願いしやすい。
説明だって、会話よりその場で絵を描いた方が分かりやすいですし。ただ指導できる人数が
少ないので、なかなか全てにまで行き渡らない。そこはちょっと弱いところですね。

■ 手練れと組むばかりが能じゃない

―― 安藤監督はピーエーワークスの社員ではなく、フリーランスですよね。たとえば、東京に
スタジオがあって、“即戦力”になる作画スタッフが多い現場のほうがよかった、とお考えに
なったことはありますか。

安藤 もちろんうまい人とやるのも楽しいですし、最初に即戦力のスタッフばかりで
編成されていたら、それはそれで、喜んでやりますけれども(笑)。

でも、与えられた持ち札の中でどれだけ良い作品が作れるのかな、というのがフリー監督である
僕のモチベーションにもなると思ってます。
3あやめφ ★:2010/04/09(金) 22:47:00 ID:???
―― なぜモチベーションになるのですか?

安藤 「まだこれから」の若い人たちと一緒に苦心して作っていって、視聴者やユーザーに対して
どれだけ“戦える”フィルムにするか。そこも自分のモチベーションとしてあるんです。

―― “戦える”フィルムですか。

■ トライ&エラーできる場所

安藤 やるからには、お客さんの心に届くものを作るわけですね。それはベテランと組んでも
若手と組んでも、ゴールとしては同じですから。今回の「CANAAN」は、TVシリーズというところも
良かったんですね。TVシリーズというのはトライ&エラーができるんです。何かに挑戦して
最初うまくできなかったとしても、何回かトライできる機会がある。限られたスケジュールの中で
人材を育てる場として、TVというのはすごく魅力的な場であるなという。

―― 今、企業は、トライ&エラーを監督すべき上司も忙しい、失敗を経て戦力に育つまでに
コストもかかる。だから即、戦える人間が欲しいし、できることなら外から優秀な人材を外から
採ってきたい。自分のところで若手を一から育てるということが難しくなっています。

安藤 アニメーションの現場でもそういう傾向はあります。限られた時間の中でどこまでやるか
というのは、どの企業も同じなんでしょうね。だからそこで、何か突破口はないかと
考えたんですよ。完璧な布陣なんて求めるべくもないし、第一、つまんないですよね(笑)。

新しいものを作らないと、お客さんはついてこない。新しいものを創造するなら、やっぱり
予想外の不確定要素を投げ込んだほうがいい。いつだって仕事は、限られた持ち札の中で
どこまでやるか。だから面白い。全ての持ち札が絵札でなくても、別の戦い方が生まれるから。

「東京以外」、そして「熟達者以外」、というのも面白いですよ。それこそ、「計算外」で
生まれてくるエネルギーがあるんじゃないかなと思うんですよ。

―― 欠けたところ、足りないものがあるからエネルギーが上がる、ということですね。
もしかしたら、「全部そろっていないとうまくいかない」と思うようになったのって、案外最近の
ことかもしれませんね。

■ 選択肢を削ることでエネルギーが上がる

安藤 東京から遠い場所で、富山というひとところに固まっていると、いいこともあって。
どうしても今、アニメーションの現場って基本フリーランスなんですよね。演出も作画も
フリーなので、それぞれ自宅で作業したり、作品ごとに別々のスタジオに行って作業をします。

だから、メインスタッフぐらいにならないと、「チームで1つの作品を作っている」意識が
持ちにくいんです。ややもすると、「そちらの作品も、幾つか請けた仕事の1つですから」みたいな
感じになってしまって。仕方がないことなんですけどね。

―― 多様すぎる選択肢とそれによる気持ちの分散で、クールな空気が生まれがちに。数ある
アニメ番組という選択肢からクールに選んでいくユーザーの話と、どこか通じる気がしますね。

安藤 多様化自体は止められないと思うんですけどね。でもそこに、自分たちで「集中」する
環境を作っていけばいいんじゃないのかなと。

富山のスタジオは、作画チームは作画で固まって作業をしているというところがよかったんですね。
原画さんたちもその時は、「CANAAN」に掛かりきりで作業してくれる。だからたとえば
リテイクを出しても、「今はこの作品をやっているんだ」という自覚があるから、作品の方向性を
理解した上で直してくれる。
4あやめφ ★:2010/04/09(金) 22:47:11 ID:???
―― じゃあ、現場で「この作品に付いて頑張るぞ」という空気は醸成されやすい?

安藤 職場の体温の高さはすごくフィルムに出ていると思いますよ。その部分は非常に
プラスだったなと思います。

あと僕個人としては、会社が若いことも、いいことだなと思っているんですよね。
小さくて若い会社だからこそ、障害が少ないというか。

―― 小さくて若い会社ということを、マイナスと考える向きもあるでしょうけれど。

安藤 大きい会社は大きいなりの素晴らしさもあるので、会社の規模で一概に良し悪しは
決められないんですけど。ピーエー(ワークス)は、会社の“外側”に対しては障害は多いかも
しれないけれども、会社の“内側”は、まだ一丸でいられるという。

監督としては、フィルムに対して、スタッフがどれぐらいの思いで接してくれているのかが
常に気になるところなんですけど、若い会社だと、「この先どうなるかはまだ分からないけど、
今はとにかく自分たちの理想に向かっていこうよ」という感じで、素直に、真っすぐにフィルムに
向き合ってもらえる。そういう部分が安心できるし嬉しいんですね。やっぱり冷められるのは
ちょっと寂しいなと思ってしまうので。

■ 目先のことに集中できる環境って、必要なのかもしれない

安藤 今、ピーエーワークスさんは、全国から若者が集まってきているらしいですよ。

―― 全国から来ているんですか。

安藤 昔は富山の地元の人だけだったのに、今はもう全国から、富山でアニメを作りたいと。

僕らの時代は、何かやろうと思ったら「東京」だったんですよね。今は、よし行こうって
思い立つ場所が東京じゃない。東京でなくてもいい。ピーエーワークスの若い人たちも、
富山で仕事をすることが前提で会社に入ってきているわけですよね。

確かに地方にも、僕らの頃とは違って、商業施設もレンタルビデオ屋さんもあるし、ネットの
おかげで情報もある。東京だからこその優位性というのは薄くなってきているのかもしれない。
多少不便であっても、仕事に集中できる環境ならば若い時に技術を上げるには良い場所かも
しれない。

人が同じ目的を持って集まれば、ひとつの場が生まれるという。東京でなくたって、
どこにいたって。非常に面白いなと思います。

―― 都会に出て遊びたいな、とは思わないのでしょうか。

安藤 いや本当にね、みんな、どういうふうに仕事と遊びのバランスを取っているのかなって。
僕も堀川社長に聞いてみたいくらい、すごく仕事熱心なんですよね、みんな。

もしかしたら、富山だと、周りに“目先の娯楽”とかがあんまりなくて、集中しやすいんじゃ
ないのかなって(笑)。……なんて、半分冗談だけど、半分は本当。
5あやめφ ★:2010/04/09(金) 22:47:18 ID:???
■ 自分のエネルギーの核心へ

安藤 振り返ってみると、僕が20代のころは、机と紙と鉛筆さえあれば、それで十分満足
だったんですよ。娯楽も大事ですが、わざわざ東京に出てきたのは、やりたい仕事に就くため。
その仕事でどうやったら先輩や周囲の人たちに認めてもらえるか、必要とされるかという
欲望みたいなものがあった。

若い人も、自分の仕事で周囲に認められたいという欲望は持っている。それは僕らの頃と
変わらない。ただ、これだけ情報が氾濫していると、情報に引っ張られて迷うことはずいぶん
増えたんじゃないかとも思うんです。いつも「あっちの選択のほうがよかったんじゃないか」とか。

―― 選択肢がありすぎて、どこに向かったらいいか迷うと。

安藤 “目先の娯楽”ってさっき言いましたけど、自分の目先が向かう先が、その場だけの
「娯楽」なのか、「自分のやること」なのか。そこは大きな分かれ道ですよね。小さく、1点に
集中することで、エネルギーの魂みたいなものができる。それは、何もかもが整えられている
環境では、もしかしたら生まれにくいのかもしれない。「欠乏」という計算外が、
働いているのかもしれませんね。
6なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 22:50:55 ID:MoHzhk4C
長いわ
どんだけ引用するんだよw
7なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 22:53:07 ID:rrbjbRhf
つまり、アムロの親父だな?
8なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 22:55:31 ID:z8WRot+C

 だからって1話からAngelBeatsの糞作画が許されるわけもなく・・・・

 どんなアニメだって1話だけは良い作画だぞ
9なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 22:56:10 ID:dU1v2ZR5
失敗した作品の監督に聞いてどうする
10なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 22:57:48 ID:TezEMxJZ
CANAANの便所バトルかっこよかった
11なまえないよぉ〜:2010/04/09(金) 23:20:43 ID:u0bGeFqz
マシンロボは第1話から酷かった
12なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 00:04:39 ID:4M3w5VUF
こういう薀蓄垂れるのってちゃんと売れるアニメつくってからだよね
13なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 01:14:30 ID:PozYnOSB
結果しか見ない人間ばっかりだな
14なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 01:22:02 ID:vlSnmM8U
糞アニメな上に、引用長げぇえええ

読む気もしねぇ
15なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 01:31:47 ID:yO4Bj287
岩手に計算外の欠乏(ry
16なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 01:53:44 ID:CQmOIPUU
リンク先読めないから引用長いのか
17なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 01:57:48 ID:u9Bmk9+3
確かにCANNANは作画クオリティ高かったよ
18なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 02:14:35 ID:BbLeH7Qo
>>10
あそこが一番の山場だったな。
19なまえないよぉ〜:2010/04/10(土) 03:05:08 ID:vq+0iKmk
ここにレイトン教授のナントカやらせるのやめてほしいんだよな。
優秀な人員の無駄遣いだと思う。
アレはゲームありきで映像目的の奴いないだろ。映画もコケたし。
金になるからしょうがないのか。
20なまえないよぉ〜
アニメーションの現場でもそういう傾向はあります。限られた時間の中でどこまでやるか
というのは、どの企業も同じなんでしょうね。だからそこで、何か突破口はないかと
考えたんですよ。完璧な布陣なんて求めるべくもないし、第一、つまんないですよね(笑)。
新しいものを作らないと、お客さんはついてこない。新しいものを創造するなら、やっぱり
予想外の不確定要素を投げ込んだほうがいい。いつだって仕事は、限られた持ち札の中で
どこまでやるか。だから面白い。全ての持ち札が絵札でなくても、別の戦い方が生まれるから。
  「東京以外」、そして「熟達者./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ すよ。それこそ、「計算外」で
\ 生まれてくるエネルギーが .|  うるさい黙れ   |かなと思うんですよ。        /
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_______/ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                           ∨      (゚д゚ )
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