米ウォルト・ディズニー・スタジオは、ロバート・ゼメキス監督のアニメーションスタジオ、
イメージムーバーズ・デジタルを数カ月以内に閉鎖することを発表した。
同スタジオは、1997年にゼメキス監督が創設。優れたVFX(視覚効果)スタジオとして、
ゼメキス監督がメガホンをとった「キャスト・アウェイ」(00)、「ポーラー・エクスプレス」(04)、
「ベオウルフ/呪われし勇者」(07)などを手がけてきた。07年にディズニーが買収し、
昨年の話題作「Disney's クリスマス・キャロル」を製作していた。
ディズニーは、「同スタジオの技術は賞賛に値するものの、現在の経済状況を考えれば、
クリエイティブなコンテンツを観客に提供する別の方法を探さなければならない」と閉鎖理由を説明。
イメージムーバーズは元空軍施設の最新設備を整えたオフィスに移転したばかりで、
経費削減などの話も特になく、約450人の社員にとってまさに“寝耳に水”だった。同スタジオは
これまで、社員に家庭を持って高水準の生活が送れる仕事の場を保証してきており、社員は
アニメーション界では異例ともいえる組合組織「アニメーション組合」にも加入している。
同スタジオは現在、サイモン・ウェルズ監督の3Dアニメ映画「マーズ・ニーズ・マムス(原題)」を
製作中で、この作業が完了するまでは存続するものと見られている。また、ゼメキス監督が
ビートルズの「イエロー・サブマリン」リメイク版を手がけることにもなっていたが、
これについては未定だ。
ディズニーは、これまでにも何度となく成功しているVFXスタジオやアニメーションスタジオを
突然閉鎖し、アーティストたちの反感を買うことがあった。90年代には「ダイナソー」などを
手がけて評価の高かったドリームクエスト・イメージズを買収後に閉鎖。また、「リロ&
スティッチ」を手がけたフロリダのアニメーションスタジオも閉鎖している。同作を監督した
ディーン・デュボアとクリス・サンダースはドリームワークス・アニメーションに移籍し、
今夏公開となる「ヒックとドラゴン」を監督した。
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