2010年 3月9日〜13日(現地時間)の5日間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニ
センターにて、ゲームクリエーターによる国際会議、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)
2010が開催。世界中のクリエーターによる講演が多数予定されている。ファミ通.comでは
その模様を総力リポートする。
海外ゲームの日本版が発売される際にしばしば取り沙汰される“ローカライズ”。もちろん
日本のゲームが海外に輸出される場合もローカライズは行われる。 “Advanced Localization
Methods for Japanese Games”では、日本のゲームのローカライズ担当者による諸問題が
議論された。登壇したのは、8-4のMark McDonald氏を進行に、カプコンのPeter Fabiano氏、
ソニー・コンピュータエンタテインメントのYeonkyung Kim氏、ゲームアーツのSaeko Inoue氏。
興味深かったのが、日本人の開発者と接する際の皆さんの苦労。“効果的なコミュニケーションを
するためのキーは?”というMcDonald氏のお題に対して、 Fabiano氏は「カプコンは(ローカライズを)
社内で行っているので開発チームと直接話せて有利だが、やはりチーム各人が個性を持って
いるので、難しい質問」としながらも、「開発の最初の段階から加わって開発プロセスの進行を
把握し、何が求められているのかを知り、綿密にチームとやりとりをする」ことが重要、と語る。
一方 Kim氏が語ったのは、日本語のコミュニケーションが基本であるのを理解するということ。
これは、日本人のメンタリティでは当たり前ともなっている、言葉では語られないコンテクストの
部分や、いわゆる“飲みニケーション”で解決される部分も含まれている。Kim氏いわく、
すべての手段を使い、聞きたいことは聞き、話すときははちゃんと話すべきとのこと。
両氏は開発チームとローカライズチームが同じ社内にあるが、外注としてローカライズを行う
Minazzi氏の場合はどうだろうか。16年の氏のキャリア経験からすると、通常開発チームと
ローカライズチームのあいだにある壁はパブリッシャー1枚だけだが、日本相手の場合は
“文化の相違”というもう1枚の壁があるという。これに対しては、尊敬をもって当たれば
解決できると考えているそうだ。
つまり、重要視する部分は微妙に異なりながらも、目標とリクエストを明確にするために、
それぞれの方法で文化やコミュニケーションの差異をなくそうとしているのがよくわかる。
「日本のコンテンツは世界に通用する」とはよく聞くが、それはこういった人々の努力で
成り立っているのだ。
ファミ通.com
http://www.famitsu.com/game/news/1232845_1124.html