劇場アニメ『サマーウォーズ』が、また大きな賞に輝いた。日本で最も長い歴史を誇る映画祭の
ひとつ毎日映画コンクールは、アニメーション映画賞に細田守監督の『サマーウォーズ』を
選び出した。細田監督の作品としては3年前の同賞となった『時をかける少女』に続くものとなる。
2作連続受賞の快挙だ。
『サマーウォーズ』は、既に第13回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門大賞受賞、
第24回デジタルコンテンツグランプリ経済産業大臣賞受賞と国内ふたつの大型賞を獲得している。
今後3月に発表される東京アニメアワード、日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞での
活躍も期待されそうだ。
また、昨年のシッチェス国際映画祭の最優秀アニメーション賞の受賞、ロカルノ国際映画祭の
オフィシャルセレクションに続き、海外での作品の活躍も広がっている。2月10日から開催される
ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門への公式出品が既に発表されている。さらに
フランスやシンガポールでも劇場公開が決まるなど、海外での注目も増している。
一方、3月3日の『サマーウォーズ』の映像パッケージの発売も近づいており、こちらも盛り上がりを
見せそうだ。深く作品世界を知りたい人に向けたBlu Ray Discは税込み10290円、より手軽な
DVDは税込み5040円、いずれも特典ディスクがセットされる。発売元のVAPによれば予約は
絶好調とのことである。劇場興行、映画賞、海外に続いてこちらでも大きなムーブメントを
起こしそうだ。
毎日映画コンクールは1935年にスタートした映画賞で、キネマ旬報ベスト・テンと並び、長年
日本の映画シーンを支えてきた。特に1962年に設けられた大藤信郎賞は日本で最も古い
アニメーション賞として知られている。さらに1989年には、アニメーション映画賞が新たに
設けられている。現在は、映画の総合的な評価としてアニメーション映画賞、アニメーション表現の
革新性を評価する大藤信郎賞と住み分けている。
今回、大藤信郎賞は中田秀人監督の『電信柱エレミの恋』が選ばれた。受賞にあたっては、
「立体アニメ表現の完成度に対して」と付されている。長編作品の制作に非常に手間がかかる
ことで知られるストップモーション・アニメーションで45分もの大作を創り上げ、発表当時、
アニメーション界に大きな驚きを与えた作品である。その映像表現の驚きが、今回の受賞に
つながった。
毎日映画コンクールの授賞式は、2月8日川崎のミューザ川崎シンフォニアホールで開催される。
授賞者のほか一般招待客も招く。また、東京交響楽団が祝賀演奏を行うなど、授賞に
相応しい華やかなイベントとなる。
アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/news/archives/2010/01/post_1079.html 第64回毎日映画コンクール 受賞結果発表!
http://www.japan-movie.net/news/winners64.html