ゲーム制作に込めた開発者の思いを聞く「開発陣に質問状」。今回は、ディズニーキャラが登場する
人気RPGシリーズの新作「キングダム ハーツ バース バイ スリープ」(PSP)です。
制作を手がけたスクウェア・エニックスの野村哲也さんに話を聞きました。
−−ゲームのセールスポイントは?
「キングダム ハーツ」シリーズはディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーションによって生まれた
ロールプレイングゲームです。主人公は「ピーター・パン」や「美女と野獣」などさまざまなディズニー作品の
世界を訪れ、壮大な物語を繰り広げていきます。冒険中に出現する敵との戦いは、ゲーム初心者でも楽しめる、
簡単操作で爽快(そうかい)感あふれるものとなっており、シリーズを通して高い評価をいただいております。
6作目となる「キングダム ハーツ バース バイ スリープ」は、シリーズ最古の物語が、3人の新しい
主人公のそれぞれの目線で描かれます。主人公によって物語や戦う敵も変わるため、ゲーム3本分のプレーが
お楽しみいただけます。
−−開発の経緯は?
今回の初期企画書自体は、「キングダム ハーツ2」の次回作として用意してあったのですが、リリース時期の
ハードの状況を考えると、それまでナンバーリング(1、2などナンバーが付いたタイトルのこと)を制作して
来たPS2に一番近い、PSPが適正であろうと判断しました。
内容的にも3人の主人公で一つの物語を描こうと思っていたので、1エピソードをテンポよく、気軽に遊べる
携帯ゲーム機用にコンセプトを固めていきましたが、最終的には当初の企画通り、ナンバーリングに
匹敵する内容になったと思います。
ナンバーリング同様の奥深さと、携帯機ならではの操作の簡略化とテンポ感、PSPという選択によって、
結果的にはその両面を持つゲームになったと思っています。
−−今だから笑って明かせるけれど、開発当時は大変だったエピソードをお願いします。
「バース バイ スリープ」の開発をどこで行うか迷っていた時期、「武蔵伝2」を手伝わせてもらった
大阪開発から申し出があっていったんは着手したのですが、やはりその前に、「キングダム ハーツ」の
開発の空気を知ってもらう機会として、「キングダム ハーツ2 ファイナルミックス+」で、
「Re:チェインオブメモリーズ」というリメークを行ってもらうことになりました。それによって、
「バース バイ スリープ」の発売はこの時期になってしまいましたが、
立派な「キングダム ハーツ」最新作のクオリティーになったと思っています。
−−ファンへ一言お願いします。
真のクリアまで2段階になっています。3人をクリアしたからといってそこで終わらず、シークレットの
エンディングまでたどり着いてください。そこに今回の作品で言いたかったことがあります。また、
そこまでクリアしても、まだまだやれることも多いです。やり込みや、通信といった要素が盛りだくさん
になっているので、ぜひ長く遊んでいただけるとうれしいです。
スクウェア・エニックス ディレクター 野村哲也
キングダム ハーツ バース バイ スリープ(PSP)1人用(通信時最大6人まで)
CEROレーティングA(全年齢対象) スクウェア・エニックス 1月9日発売 6090円
まんたんウェブ
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20100117mog00m200007000c.html http://mainichi.jp/enta/mantan/news/images/20100117mog00m200006000p_size5.jpg