琉球新報に連載中の人気4コマ漫画「がじゅまるファミリー」(原作・ももココロ)のアニメーション化が
うるま市石川のIT企業・オキナワデジタルモーションで進められている。マンタ、サンゴ、チブル
というおなじみの登場人物がアニメの画面の中で動きだす。今後、商品化も予定されており、
新聞紙面とは違う魅力で、新たなファンを獲得しそうだ。
アニメーションといえば、熟練のアニメーターが大勢でセル画を一枚一枚丹念に描いていく
ような風景を思い浮かべる。ところが、アニメ「がじゅまるファミリー」は落ち着いた雰囲気の
部屋に並ぶ数台のパソコンを使って、静かに作業が進められている。セル画はどこにも
見当たらない。
スタッフは、これまでアニメ製作の経験のなかった若い県出身者ばかりだ。監督を筆頭に、
手書きで原画を描く人や、原画をパソコンに取り込んで彩色する人、製作進行を管理する
人など5、6人という少人数だ。「パソコンの動画ソフトを使って登場人物を動かしています。
コンピューターのおかげで作業が大幅に縮小されました」と社長の入江さんは話す。
それでも従来のアニメ製作とは変わらない面もある。例えば4コマをアニメに膨らませていく
時の演出。従来のアニメと同様、絵コンテを描き、ストーリーをつくっていく。
長年、本土でアニメ製作の現場に携わり、今回はキャラクターデザイン・作画監督として
参加している豊里勝彦さんは「がじゅまるファミリーの魅力は、キャラクターがアニメ的で
よく動いているということですね」と語る。
沖縄風な家族ドラマをどうアニメ化に生かすか、知恵を凝らす。「沖縄の人にしか分からない
ギャグをどうやって沖縄の人以外にも分かってもらえるか、本土の人にも理解しやすくするか、
いつも考えています」
今回のアニメ化は、地域キャラクターを活用した新たな産業と雇用の創出を目的とした
「沖縄県雇用再生特別事業補助金うるま市委託事業」の一環で取り組まれている。
入江さんは「若いアニメーターと真摯に向き合って、緻密に議論してきました。技術を持っている
沖縄の若者たちのモチベーションを高めていくことが大人たちの役目です」と力説する。
スタッフの一人、久高ひとみさんは「ホームページ作製の仕事などをやってきたが、アニメは
初めてです。沖縄の人たちに共感してもらえるような作品にしていきたいですね」と笑顔を
見せていた。
琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155183-storytopic-137.html http://ryukyushimpo.jp/uploads/img4b42fa990bd3e.jpg がじゅまるファミリー予告編
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-154316-storytopic-207.html