【地域】関西で活況、アニメ産業を“起爆剤”にコンテンツ産業の育成を

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1伊右衛門φ ★
コンテンツ産業、関西で活況 アニメ“起爆剤”に

 東京への一極集中が目立つゲームやアニメ、音楽などを制作するコンテンツ産業を、関西で育成する動きが活発
になっている。近畿経済産業局や自治体が成長産業として後押ししており、国際的な評価が高い日本のコンテンツを
関西から海外へ発信したい考え。神戸市長田区に来春開設されるアニメスタジオは、見学客を受け入れて観光振興
も目指すなど、関連産業のすそ野も広がってきた。(段 貴則)

 阪神・淡路大震災後、アニメ産業に力を入れてきた神戸市。神戸芸術工科大学は来年3月、本格的なアニメを制作
できるスタジオ「アニタス神戸」を、JR新長田駅前に開設する。すでにアニメの原画に動きを付ける制作者ら60人を募
集中。関連産業の集積を目指す一方、制作現場を見学可能にし観光資源として生かす。

 同市長田区ではこのほか、神戸出身の漫画家、故横山光輝さんの代表作「鉄人28号」の原寸大モニュメントを設置
するなど、アニメを生かした地域活性化を展開中。同大学の橋本英治教授は、故手塚治虫さんらが腕を磨いたアパー
ト「トキワ荘」を引き合いに、「長田の街全体を“平成のトキワ荘”にし、第二の横山光輝さんを輩出したい」と夢を語る。

 歌劇など芸術文化系のコンテンツが集まる宝塚市では、宝塚商工会議所が本年度、創立10周年記念事業として、
理工・芸術・経済系の人材を組み合わせた新産業創出を目指す研究を始めた。すでに肉眼では見えない極小の世界
を、コンピューターグラフィックスなどで映像化する「サイエンス映像」のベンチャー企業・サイエンス映像シンクプロダ
クション(宝塚市)が設立された。

 コンテンツ産業の中でもエンターテインメント分野は東京への一極集中が目立つ。しかし、企業や研究機関向けの科
学技術・医療・環境関連の映像を制作する産業用コンテンツ分野は集積拠点がない上、国籍や文化にかかわりなく世
界に輸出しやすい強みがある。このため、県新産業立地課は「兵庫にはスプリング8などがあるほか、神戸医療産業都
市のバイオ企業が集まるなど好条件が備わっている」として、県内にサイエンス映像関連の産業を集積させる考えだ。

 一方、大阪府では、産官学で設立した大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会(大阪市)が今年10月、沖縄県内
のゲーム関連企業でつくる沖縄ゲーム産業振興ネットワークとの連携を始めた。

 関西にはゲーム関連首位の任天堂(京都市)や家庭用ゲームソフト大手のカプコン(大阪市)があり、大阪にはクリエー
ターなど関連の小規模事業所も多いという。大阪の集積を生かし、アジアに近い沖縄の団体とゲームの企画・開発を共同
で行うことで、アジア市場進出を目指す。

 近畿経産局コンテンツ産業支援室によると、管内にある芸術系大学や専門学校などから、毎年3千人のクリエーターが誕
生する一方、東京への人材流出が課題という。同室は「神戸のスタジオ開設など、関西に若いクリエーターを定着させる試
みには大きな意義がある」と話している。
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/Images/02517143.jpg
“鉄人効果”でにぎわう長田。アニメ関連産業の聖地を目指す=神戸市長田区、若松公園
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0002517142.shtml
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