11月12日、北米最大の日本アニメイベントであるアニメエキスポ(Anime Expo)は、サイトを大幅リニューアルし、
アニメエキスポ2010の公式サイトとしてオープンした。
アニメエキスポは、非営利団体の日本アニメ振興会(Society for the Promotion of Japanese Animation: SPJA)が1992年から運営している。
近年注目を浴びる日本のアニメ・マンガをテーマにしたイベントでは、北米最大の来場者を誇る。
2010年は、これまでと同様に独立記念日の休日を含む4日間、7月1日から4日まで開催する。
新しいサイトでは、これまでと同様にイベントの情報、関連ニュース、動画コンテンツの提供を行うほか、
TwitterやFacebook、YouTubeなどで展開する関連サイトもナビゲーションする。
また、サイトでは来年の開催に向けたボランティアの募集や、4日間50ドルの前売りチケットの発売も行っている。
さらに、今年9月に新たにSPJAのCEOに就任したマイケル・ラッタンツィオ(Michael Lattanzio)氏による挨拶も掲載する。
2009年のアニメエキスポは、モーニング娘。のライブコンサートが人気を博すなど、参加者が実数で4万4000人を超え、
ファンに向けたプロモーションで大きな成功をみせた。
しかし、その一方で、SPJAとアニメエキスポのマネジメントトスタッフが持つ課題は小さくない。
2008年、2009年とイベントに参加する企業が減少し、参加する企業もその規模を大きく縮小しているためだ。
これは映像パッケージの売上不振を中心に、北米のアニメ企業に経営が不調な企業が多いためである。
マンガ出版社も、イベントにおける宣伝効果とそれに投下するコストのバンランスを厳しく判断している。
近年、マンガ出版社のアニメエキスポへの参加は減少している。
こうした傾向は9月にニューヨークで行われたニューヨーク・アニメフェスティバルも同様である。
ニューヨーク・アニメフェスティバルでも、来場者数の伸びに対して参加企業の数は小規模なものだった。
さらにアニメエキスポの固有の問題も見られる。今年3月にSPJAの旧CEOが突然辞任し、約半年にわたりCEOの不在が続いた。
また9月には、国内外の企業・広報窓口だったPR会社との契約を突然打ち切るなど経営陣の混乱が見られる。
一方で、日本企業やマンガ出版社、ゲーム関連企業には、これまでのマニア市場から大衆市場への関心を広げるケースが増えている。
その結果、アニメだけでなく米国のポップカルチャー全体を扱うサンディエゴ・コミコンが強力なライバルとなっている。
しかし、日本のアニメ、マンガが集中的に集める大型イベントとして、依然、アニメエキスポの優位性は健在だ。こうした特徴を武器に、どれだけ多くの企業をイベントに呼び込めるかが、2010年のアニメエキスポの成否を決めそうだ。
アニメエキスポ2010(Anime Expo2010)
http://www.anime-expo.org/ ソース:アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/news/archives/2009/11/2010_13.html