10月13日、デジタルコンテンツ協会(DCAJ)は、第24回デジタルコンテンツの各賞を発表した。
デジタルコンテンツグランプリはデジタルコンテンツ産業の活性化を目指すDCAJが、毎年
コンテンツ業界に大きく貢献した作品や技術、人物などを表彰している。
その範囲は製品や映像、サービス、技術、人物、企業など幅広い範囲に及んでいる。
過去24年間に賞は様々なかたちを取ってきたが、それぞれの時代のコンテンツ産業の潮流を
映し出す役割も果たしてきた。
24回目を迎えた2009年は、グランプリにあたる経済産業大臣賞を、今夏に大ヒットになった
劇場アニメ『サマーウォーズ』が受賞した。映画は数々の受賞暦に輝いた劇場アニメ『時を
かける少女』に次いで、細田守監督が手掛けた。前作の『時をかける少女』も、第21回デジテル
コンテンツグランプリの優秀賞を獲得しており、2作品連続の受賞となる。
また昨年、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が受賞したDCAJ会長賞には、あたかも現実に
少女がいるかのような仮想を生み出す芸者東京エンターティンメントの拡張現実ソフトウェア
「ARis(アリス)」である。急激に進化する3D空間の表現の流れを象徴する。
優秀賞は、大人気のゲームソフト『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』となった。長年続く、
ロングセラーのシリーズだが、今回は通信機能を利用したコミュニーケーションによる
ゲーム性が強化されている。
さらに美術賞には、映画制作会社ルーデンスが鮮やか色彩で、不思議な映像にリアリティを
与えた『パコと魔法の絵本』、錦賞には富山放送、アニメ制作のピーエーワークス、キャラクター
会社ファンワークス、クリエイター The BERICHの共同企画による『富山観光プロジェクト』が
選ばれている。
コンテンツ制作スタッフ賞は、京都アニメーションである。『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』、
『けいおん!』など次々にヒット作を生み出してきたアニメスタジオが輝いた。
さらに、審査員特別賞では今年7月に逝去されたアニメーターの金田伊功さん、そしてこの
夏お台場に再現された高さ18メートルの1/1ガンダム「『機動戦士ガンダム』RX-78−2ガンダム
実物大18m立像」を決定した。
金田伊功さんは、日本のアニメーションの動きの表現に革新的な方法を生み出してきたことで
知られている。フルアニメーションの省略としてのリミテッドアニメーションでなく、日本の
リミテッドアニメーションに独自の動きを与えた。それが現在の日本のアニメの表現の
豊かさにつながった。
ガンダム像は今年放映開始から30周年を迎えた『機動戦士ガンダム』を記念して作られたものだ。
その設置場所には、予想を遥かに上回る400万人以上の人出が繰り出した。この夏の一大
ムーブメントとになっただけでなく、ロングランのキャラクターの持つ力をあらためて認識させる
ものでもあった。(略)
経済産業大臣賞:「サマーウォーズ」 サマーウォーズ製作委員会
DCAJ会長賞:拡張現実ソフトウェア「ARis(アリス)」 芸者東京エンターテインメント
優秀賞:「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」 スクウェア・エニックス
技術賞:「パコと魔法の絵本」 パコと魔法の絵本製作委員会/ルーデンス
コンテンツ制作スタッフ賞:京都アニメーション (企業表彰)
錦賞:「富山観光アニメプロジェクト」 富山テレビ放送/ファンワークス/ピーエーワークス/The BERICH
審査員特別賞:「機動戦士ガンダム」RX-78-2ガンダム実物大18m立像 バンダイナムコホールディングス
審査員特別賞:金田伊功 (人物表彰・故人)
アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/news/archives/2009/10/post_965.html 第24回デジタルコンテンツグランプリ等受賞作品
http://www.dcaj.org/news/dcg2009/relese.pdf