【映画】「涼宮ハルヒの消失」 2010年春公開予定★2

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804なまえないよぉ〜
月刊ニュータイプ2009年12月号
『高まる、鼓動』―ていねいに、丹念に、綿密に。
ことばの端々に誠実に作りこもうとする意志があふれていた。
長編「涼宮ハルヒの消失」は現在、絶賛制作中だ。
作品に深くかかわるメインスタッフの2人に直撃した。

『消失』発表後初対談
団長代理『石原立也』×超総作画監督『池田晶子』(二重鍵括弧は強調)


――『涼宮ハルヒの消失』アニメ化が発表されましたが、
お2人にとって『消失』とはどんな作品ですか?

石原
原作シリーズをあえて『起承転結』にわけるとするならば、「「消失は「転」に当たる話」」…なのかな。
キョンが自分の立場を自覚して、自分で動き出す話ですし。僕が長門を好きになった話です。

池田
原作の『消失』は、すんなりと読むことができて、しかもおもしろかった印象があります。
今回のシナリオも読んだときも『やっぱりおもしろい』と改めて思いました。

――今回は長編ということで、TVシリーズと違う部分はありますか?
池田
「「スクリーンに映る作品」」ということを意識していますね。
画面の構成の仕方もなるべく違うことを意識しています。
たとえば背景の描き込みぐあいも細かくなるので、
なるべく参考写真をたくさん撮って、使うようにするとか。
ロケハンには……毎週、行ってますよね。

石原
幸いにも舞台のモデルの土地が近いので。夏ぐらいからロケハンに通っています。
"涼宮ハルヒ"シリーズで、最初にロケハンを実施したのが05年のことなんですが、
さすがに時間がたってしまって。当時と風景画変わってきてしまったんですよ。
駐車場ができていたり、あるべきお店がなくなったり。

だから以前の風景と新しい風景が混在している部分もありますね。(笑)
今回はキョンの行動範囲が狭いので、新しい場所のロケハンは少ないんですけど。
「「新しい場所は学校くらいかな?」」
805なまえないよぉ〜:2009/11/17(火) 14:58:47 ID:+cybTM8R
――劇場版として、スタッフ面は何か違いがありますか?
石原
基本は、『改めて』のTVシリーズと変わりません。僕が団長代理で、武本が団長補佐。
そこに池田(晶子)が超総作画監督として参加して、
総作画監督の西屋太志とともに作画を監修することになります。

池田
「「監督が2人、総作画監督2人」」という、すごく綿密なチェック体制なんですよ。
その過程を経て、絵が出来上がっていくことになります。

石原
絵コンテも今までは1話ごとにひとりが担当していましたが、
今回は僕と武本のほかに、強力な助っ人として高雄(統子)に参加してもらいました。
分担は、最初は武本が描いて、最後は僕が描くということ以外は決めてなくて。
3人で話し合いつつ、意思統一を図りつつ、描いています。
改めて感じたのは、演出家といえども男と女ではずいぶん作品の見解が違うんですよね。

池田
高雄さんの絵コンテだと、
一部のキャラクターがいつもと「「ちょっと違う表情」」になっていますよね?

石原
女性だと、ふとしたところで情念が感じるカットが入るときがあるんだよね。
朝倉涼子のあるカットの絵コンテを描くときなんて、武本と高雄に相談したら、
夕方の4時ぐらいから夜の12時ぐらいまで、
「「8時間ぐらいぶっ通しで話し合った」」こともありましたよ。
『朝倉はきっとこんな気持ちじゃないか』って。

池田
登場人物の心理がよく描けているからだと思うんですけど、
絵コンテを見た「「女性陣が、大騒ぎ」」をしたこともありました。

石原
え、ホント?

池田
そうですよ!みんな大騒ぎですよ。あんなシーンを石原さんが描くなんて(笑)!

石原
今までの"涼宮ハルヒ"シリーズで、ここまで「「男女の見解」」が違うのも初めてですね。

池田
今まではハルヒが突っ走っていたから、みんなそれについていったんですけど。
今回はハルヒが影を潜めていますからね。
806なまえないよぉ〜:2009/11/17(火) 15:00:01 ID:+cybTM8R
――細かい男女の機微を作画するときに気をつけていることは?

池田
キャラクター設定自体はテレビシリーズのころのものをベースにしているんですけど、
絵コンテを見てから「あ、そういうことか」と新たに描き足した設定がかなりあります。
特に表情ですね。長門も古泉も、「「予想以上の表情」」がいくつかあって。

石原
今回、お話がシリアスなので、絵にばらつきがなるべく少ないように、
要所ごとに作画の参考になる設定を描いてもらっていました。

池田
大事なシーンには、キャラ表の横に注意書きを書きました。
それを読まないと、違いに気がつかないかもしれない。
微妙な表情の違いなんです。作画の打ち合わせのときに、
各演出さんにしっかり説明してもらっています。

――ていねいな作業ですね。

池田
きっと、ひとりひとりのキャラクターの心情を追っていても、
深く楽しめる作品になるんじゃないでしょうか。
皆さんに満足していただけるものができるよう、がっぷり四つに組んで作っています。
期待されているプレッシャーと戦いながらつくっていきたいと思います。

石原
長編版だからと言っても、僕らとしては変わることなく作っています。
原作をご存じの方も多いと思いますが、おそらく出来上がりは読者の皆さんが想像している
「「京アニが作った『消失』」」に近いものになるんじゃないかと。
長門や古泉、キョンの今まで見たことない表情や姿を楽しみにしてください。
807なまえないよぉ〜:2009/11/17(火) 15:01:24 ID:+cybTM8R
涼宮ハルヒ
彼女に何が起きたのか?入学当初を思わせる、腰まで伸びた長い髪、
北高とは違うブレザータイプの制服を着た涼宮ハルヒ。
「ハルヒの設定は、あまり変わっていません。むしろ、ハルヒの周りが変化しています。」(石原)

キョン
「絵コンテを描いて、改めてキョンはハルヒが好きなんだなと実感しましたね(石原)」
「今回の主役はキョンですから。ていねいに描いています。設定を何枚描いたことか……。
わりと背筋が縮こまっているシルエットです。(池田)」

長門有希
めがねをかけた長門。今までの長門と微妙に違う表情や、女の子らしい細かなしぐさが印象的。
「絵コンテを読んだとき『まさか長門がそんな表情をするなんて』と衝撃を受けました(笑い)。
慌てて追加で表情などの設定を描き足しました。(池田)」

朝倉涼子
今回再登場。その正体は長門と同じくヒューマノイド・インターフェース。キョンの殺害をたくらんだことも。
「改めて朝倉の気持ちを描くため、スタッフとじっくりと打ち合わせしました。(石原」

古泉一樹
涼宮ハルヒとともに消えてしまう、SOS団の副団長にして超能力者。
「古泉も絵コンテを読んでから、表情の設定を描き足しました。大事なシーンでは、
微妙な表情の変化も設定の段階で、方向性をしっかりと指示しています(池田)」

キョンの妹
いつものようにキョンの妹も登場。
「新設定を起こしたのは、原画マンの皆さんがキャラクターの気持ちになるときのサポートになるように(池田)」
「今回は一本の長編。なるべく絵のバラつきを抑えようと頑張っています。(石原)」

■クリスマスの衣装が登場
物語の時間は12月後半。SOS団のメンバーがクリスマス・イブパーティの計画を立てるところから始まる。
はたして楽しいクリスマスを迎えられるのか?
あふれんばかりのみくるサンタも登場。(ハルヒ、長門、みくるサンタの設定画)

■クラスメイトも変化
「TVシリーズではクラスメイト全員の設定がありました。
今回は、その後のクラスメイトの設定を新たに描いています。
誰と誰が仲良しなのか。人間関係が楽しいですよ。(池田)」

大野木さん
たとえば1年5組・茶道部所属の大野木さん。
前より髪が伸びてちょっと大人っぽくなった彼女は、
「消失」では茶道部をやめて大学生の彼氏とつきあっている……
というような、ささいな変化まで細かに設定されているのだ。