Bethesda Softworksは、2004年にライセンス供与された「Fallout」の知的財産権を、
その3年後には同シリーズを作り出したInterplay Entertainmentから575万ドルで完全に買収した。
その結果、今度はBethesdaの方から権利を提供する形となり、Bethesdaは契約の下、
Falloutの多人数同時参加型ロールプレイングゲーム(MMORPG)の制作ライセンスを
Interplayへ供与した。かつて破産しかけた Interplayとの間で結ばれたこの契約には
但し書きが付いており、Interplayは2年以内に本格的な開発を開始しなければならないと
されていた。そして4月、約束の時期がやってきたが、この条件は果たされなかった。
そこでBethesdaは、Interplayの取り組みを不服として、 FalloutのMMORPGに関する権利を
取り消したのである。
BethesdaとInterplayの問題は9月第2週、法的な段階にまで発展し、Bethesdaはメリーランド州の
連邦裁判所に提訴した。この訴えでBethesdaは、InterplayがBethesdaと締結した商標
ライセンス契約(TLA)を順守せず、結果として10の契約違反と商標権侵害を行ったとしている。
そのなかで、FalloutのMMORPGに関する問題は第1の違反として取り上げられ、Interplayは
2009年3月末までにプロジェクト資金として3000万ドル以上を調達する必要があったとされた。
これが果たされなかった証拠として、Bethesdaは6月30日時点の米証券取引委員会(SEC)の
資料を挙げている。この資料にはInterplayが254万ドルの負債を抱え、現金資産を1万6000ドルしか
保有していないことが記載されている。
Bethesdaはまた、FalloutのMMORPGに関するライセンスの取り消しと、いかなる第3者とも
契約交渉に入ってはならないことを通知してから11日後に、Interplayはブルガリアの
Masthead Studiosと、FalloutのMMORPGに関する「 Project V13」について正式に契約を
締結したと主張した。
さらに訴状の第2部では、Interplayが「Fallout 3」の人気を利用し、許可なくFalloutシリーズの
再リリースや再パッケージ販売を行ったとも訴えている。具体的には「Fallout」「Fallout 2」
「Fallout Tactics」をまとめて、「Fallout Trilogy」や「Saga Fallout」というボックス版製品として
販売したことを挙げた。こうしたボックス版製品を新たにパッケージ販売する場合、Bethesdaの
承認が必要であったにもかかわらず、Interplayはそれを怠ったというのが訴状の主張である。
また、Bethesdaは「Fallout Trilogy(Fallout3部作)」という名前についても、顧客が同ボックス版
製品に「Fallout 3」も含まれていると誤解することを意図的にねらったものだという印象を
受けるとしている。
訴状では最後に、InterplayがBethesdaの同意を得ないまま、複数のオンラインゲーム販売業者と
契約交渉に入り、重ねてライセンス契約に違反したと主張している。Bethesdaの許可なく
Fallout製品を販売した小売業者として、GameTap、Good Old Games(GOG.com)、Valve Softwareの
Steamサービスが名指しされ、ライセンス契約に違反していると指摘された。
Bethesdaは、Falloutの名前と商標に関して、Interplayはもはやいかなる権利も持たないと
裁判所が正式に宣言することを求めている。また、あらゆるFalloutブランド製品について、
Interplayによる販売を事前処置的かつ恒久的に阻止する差し止め命令を求めている。
Interplayに対しては、Falloutブランドについていかなる権利も持たないことを宣言する書面を
提出するように求めた。
GameSpot Japan/CBS Interactive
http://japan.gamespot.com/ps3/news/story/0,3800075348,20400003,00.htm