英国でインターネットでの動画配信について大きな動きがみられる。
英国政府はインターネットから海賊版映画、音楽コンテンツのダウンロードする
常習者のインターネット回線を切断することを検討中である。
まずインターネットサービスプロバイダー(ISP)が、ダウンロード常習者に警告を行い、
それでも違法ダウンロードが繰り返される場合に、こうした処置を取りたい意向だ。
著作権違法のコンテンツをダウンロードする利用者のインターネット回線切断は、
今年春にフランスで実際に法案が可決している。
しかし、その後、裁判所から接続切断の違憲判断が下されるなどの混乱が続いている。
今回は、英国でも同様の動きがあることになる。
ヨーロッパの各国で、違法配信対策に政府が強硬手段に乗り出す。
フランスはヨーロッパでは映画産業の大国、英国は音楽、ゲームなどに強さをみせる。
共にエンタテイメント・文化産業の育成に熱心な国として知られる。
その一方で、同じ英国に米国ではYouTubeに次ぐ勢力に成長した動画配信サイトHuluが
進出する可能性が強くなった。違法配信を押さえて、正規の配信を拡大するようだ。
英国の大手民間放送局ITVがHuluと交渉しており、交渉終結が近いと英国の有力メディアが
相次いで報道している。もし、実現すればHulu初の海外進出は、英国になる。
Huluは、NBCユニバーサル、FOX、ABCなど米国のメディアコングロマリットの出資する動画配信会社である。
YouTubeとは異なり動画投稿機能は持たない。配信動画はHuluによって選ばれた番組となっており、
大量の動画が配信されるYouTubeと住み分けている。
大手メディアの人気コンテンツが多いことから急成長を遂げているが、
これまでは米国のみでサービスを提供してきた。今後の海外展開が注目されている。
Huluが英国、そしてさらに他の国への展開を強めれば、日本アニメ関連企業にも少なからぬ影響がある。
既にHuluには『NARUTO』や『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』、『ONE PIECE』など
日本のアニメが多く配信され人気を集めている。
Huluの拡大を通じて、日本のアニメも海外のインターネット配信ネットワークを拡大することが可能となる。
各国の放送市場で自国産のアニメーション作品の放映志向が強まる中、インターネットが日本のアニメの
認知度を上げる有力なツールとより重要になっている。今後もHuluの動向は目を離すことが出来ない。
Hulu
http://www.hulu.com/ ITV
http://www.itv.com/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/news/archives/2009/08/hulu.html