中国における「World of Warcraft」のサービスは6月から現在まで停止しており、7月30日から NetEaseのもとであらためて、新規IDの取得が不可能という異例のクローズドβテストが 開始されることになった。サービスが中断されたのは、パブリッシャー間でのサービス移管が 円滑に行なわれなかったためだ。
「World of Warcraft」の中国における運営元はThe 9(第九城市)であり、そのサービス収入は The 9の売り上げの92%を占めていた。ところがBlizzard Entertainmentは、今年6月の タイミングでThe 9とのパブリッシング契約を打ち切り、新たにNetEaseと契約した。 NetEaseはかねてからBlizzard Entertainmentに対し、ライセンスフィーの大幅な切り上げを 条件に中国における「World of Warcraft」の運営権委譲に関する提案を持ちかけていて、 それが実ったというのが大方の観測だ。
7月24日のCGDC基調講演でBlizzard EntertainmentのCEO MikeMorhaime氏は 「Creativity ―Soul of Game―」という表題の講演を行なっている。また、同日のオンライン ゲームセッションでは同じくBlizzard EntertainmentのJ. Allen Brack氏が、東洋と西洋に おけるゲームデザインについて講演を持った。
Mike Morhaime氏は聴衆に向けて「『WoW』はもうすぐ始まる。長くお待たせすることはない」 という旨の発言を行ない、講演後の記者取材では「Blizzardは中国のオンラインゲーム市場を 非常に重視している。NetEaseとの提携もいたって円滑で、これからNetEaseと一緒に偉大な オンラインゲーム事業を開拓していく」とコメントした。
これを絶好のチャンスと見たオンラインゲームパブリッシャーが、「World of Warcraft」に 似たゲームを続々と世に送り出すのが水面下での動きとなっている。試遊台でプレイして みたかぎり、「神鬼伝奇」は本来クリックベースの操作を基本に作られているようだが、 「World of Warcraft」と同じW/A/S/Dキーでの移動もサポートしている。
もっとも、ゲームのクオリティまでは「World of Warcraft」そのものとはいっていないようで、 モンスターの発生処理と挙動がかなり大ざっぱで、プレーヤーのいない試遊台のキャラクターは、 表示の重なったすごい数の敵に囲まれたりしていたが、戦闘時の操作レスポンスやテンポは 比較的良好。十分に楽しく遊べる作品に思えた。それだけに、また完美時空という 大会社だけに「ここまでやりますか」という印象が拭えない。