入間市宮寺の狭山丘陵の麓(ふもと)にある地域を舞台にしたアニメ映画(CG)
「ホッタラケの島〜遙と魔法の鏡〜」がこの夏、全国で封切られる。
不老川など地元の情景も細密に再現されるとあって、同市は「市の知名度を高めるのに絶好の機会」
ととらえ、早くもロケ地巡りなどの企画も立てている。
東京都内から同市や狭山市を経て川越市に流れる不老川流域には昔話が伝えられ、その中に宮寺地区の
出雲祝神社近くに「ハタヤの屋敷稲荷」がある。この稲荷には「願い事をして生卵を供えれば、
なくなった大切なものが出てくる」という伝承があり、それを裏付ける証言もある。
これに関心を持ったのが狭山市出身でフジテレビの関口大輔プロデューサー(40)。
この話をヒントに同テレビ開局50周年記念作品の制作につなげた。
主人公は女子高生・遙。幼いころ、母を亡くし、父に育てられた。子どもの時、遊んでいた近くの
神社に行くと、キツネのテオを目撃。テオを追っていくうちに、森の中に迷い込み、
一瞬にして異次元の世界に吸い込まれ「ホッタラケの島」に入ってしまう。
島は、いらなくなった(ほったらかされた)「宝物」を使って町をつくっている誰も見たことがない
おとぎ話のような不思議な国。そこで遙は昔、母からもらった大事な手鏡をなくしたことに気付き、
テオと手鏡を捜し始めるという冒険ファンタジー。
この映画にハタヤの稲荷、出雲祝神社、不老川周辺の風景が登場してくる。地元では
「映画の上映で豊かな森が宮寺にあり、自然の中の神社や稲荷の良さが分かってもらえるとうれしい」
と映画の完成を期待している。
入間市も今後、新たな観光スポットとして、市のPRのため「知名度アップ委員会」(事務局・企画課)
を庁内に設置し、ファンのロケ地巡りなど映画公開に伴う対応を考えており、
第1弾として17日にはハタヤの稲荷脇に標柱を設置する。
日本動画協会と西武鉄道は10日、地元の宮寺小学校で子どもたちと使用済みの切符を使い、
「ホッタラケの島」の主人公・遙とテオ、物語の舞台となっている出雲祝神社をデザインした壁画を制作する。
「ホッタラケの島」は8月22日から全国東宝系映画館で公開される。
埼玉新聞
http://www.saitama-np.co.jp/news07/10/07l.html http://www.saitama-np.co.jp/news07/10/07l_1.jpg