東映アニメーションは『とびだす!3D 東映アニメまつり』を10月3日に全国ロードショー
することを発表した。同社が1967年から「東映まんがまつり」などとして行い、2002年7月を
最後に姿を消していた東映アニメーションによる劇場アニメの特集上映が復活するかたちだ。
上映作品は4本、新作アニメ『きかんしゃやえもん』のほか、『デジモンアドベンチャー3D
デジモングランプリ!』、『デジモンセイバーズ3D デジタルワールド危機イッパツ!』、
『ゲゲゲの鬼太郎鬼太郎の幽霊電車』の短編3本が上映される。かつての「東映まんがまつり」、
「東映アニメフェア」を思い出させる豪華で盛りだくさんの内容となる。
今回の劇場公開の目玉は「とびだす!3D」とある様に、上映される作品が全て3D立体映画と
なっていることである。
『きかんしゃやえもん』は、1959年に岩波書店から発行された絵本を原作とする。絵本累計
販売部数は131万部の大ベストセラーだ。東映アニメーションは、1974年に既に『D51の
大冒険きかんしゃやえもん』として劇場アニメ化しているが、今回は最新技術を用いた
3D立体アニメとして作品に挑戦する。
また、同時上映の短編3本は、テーマパークやイベントで上映された3D立体アニメである。
イベントムービーであると同時に、東映アニメーションがより本格的な3D立体アニメを
制作するための準備とも見られていた。
いずれも映画館での公開は今回が初めてになり、こちらも目が離せない作品である。
3D立体アニメーションは、海外ではピクサーやドリームワークスアニメーションを初め、
様々なアニメーションスジオが制作に乗り出している。新世代のアニメーションとして注目を
浴びているが、日本のスタジオによる3D立体アニメの本格的な劇場公開はこれまでなかった。
今回は日本の劇場アニメの新しい技術への挑戦となる。また、国内での3D立体映画上映対応
スクリーンが増えたことから、『とびだす!3D 東映アニメまつり』では全国およそ60から70
スクリーン全てで3D立体映像を体験できる。興行側の体制の変化も、今回の劇場公開を
可能にしたようだ。
東映アニメーションの劇場アニメーション公開は、近年は年に2本から3本となることが
多かった。しかし、今年は春に『映画プリキュアオールスターズ みんなともだちっ☆奇跡の
大集合』が公開され、さらに11月の『映画 フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密が
いっぱい!?』と12月12日の『ONE PIECE film Strong World』の公開が発表されている。
「とびだす!3D 東映アニメまつり」で、同社は少なくとも今年は4回の全国ロードショーを行う
ことになる。今回の上映は、新しい映像の実現と共にビジネス面でも野心的なものになっている。
アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/news/archives/2009/07/1033d4.html 東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/press/2009/07/2009103.php