7月2日から、米国ロサンゼルス市で開催される全米最大の日本アニメ・マンガイベントがアニメエキスポである。
この開催4日目の7月5日の午後、日本の大手アニメ製作会社プロダクション I.Gが主催するパネルと呼ばれる
イベントが開催された。
イベントは同社の手がける最新作を紹介するもので、現地でも人気のプロダクション I.Gのアニメ作品ファンが
多数集まった。
アニメエキスポは日本のアニメやマンガにスポットをあてるものだが、日本のアニメ制作・製作企業や
マンガ出版社が直接参加することはあまり多くない。アニメエキスポは企業にとっては、ファン向けに自社商品の
プロモーションを行う場で、通常はディズトリビューターと呼ばれる現地流通企業が行うものだからだ。
そうしたなか今年は、プロダクション I.G、アニプレックス、ガイナックスなどの日本企業が自社パネルを
設けた。なかでもプロダクション I.Gは、長年パネル開催を続ける数少ない日本企業となっている。
同社のパネル開催は米国現地子会社を通じたもので、現地流通企業とは別に、会社や作品のブランドを高める
効果を発揮している。日本と現地の権利関係によりバラバラに展開されることの多い作品を、
「プロダクション I.G」のブランドでまとめる。
また、しばしば米国未展開の作品の紹介を行うなど、現地のファンにとって最新情報の獲得に
欠かせない存在となっている。
そうしたなか今回紹介されたのは、同社の最新5作品。『戦国BASARA』、『東のエデン』、
『宮本武蔵―双剣に馳せる夢―』、『ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜』、
『ABUNAI SISTERS -KOKO & MIKA-』である。
このうち米国の会社による展開が既に決まっているのは、I.Gのパネル開催前日にファニメーションのパネルで
ライセンス獲得が発表された『戦国BASARA』だけである。それだけに『戦国BASARA』の紹介には特に力が入る。
ラインナップの最初に長めのトレーラーの上映が行われ、来場者からの反応もかなり良かった。
また、叶姉妹をモデルにした異色のアニメ『ABUNAI SISTERS -KOKO & MIKA-』は、およそ3分の第1話が
まるまる上映された。コミカルタッチの作品は、会場内で大きな笑いを誘いこちらの反応も良かった。
I.Gのこれまでにない一面がファンに伝わったようだ。
実際にエッジの利いた『東のエデン』や『宮本武蔵―双剣に馳せる夢―』、ファミリー向けの3Dアニメ
『ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜』、女性にも人気の高いゲーム原作アニメ『戦国BASARA』と、
プロダイション I.Gの作品の幅広さが理解出来る内容となった。
さらにパネルの最後には、米国の大手ゲームソフト会社エレクトロニック・アーツ(EA)が製作する
アニメ『ダンテ・インフェルノ』の制作に、プロダクション I.Gが参加するという
サプライズリリースが行われた。
『ダンテ・インフェルノ』のは、EAが開発を進めるアクションアドベンチャーゲームで、
これまでEAとスターズメディアグループ(Starz Media)のフィルムローマン(Film Roman)が
ゲームと同時に長編アニメーションを製作すると報道されている。
今回はその制作にプロダクション I.Gが加わることが明らかになった。
『ロボットカーニバル』「プレゼンス」や『KITE LIBERATOR』で知られる梅津泰臣さんや
『Witch Hunter ROBIN』、『Ergo Proxy』の村瀬修功さんが参加する。
いずれも特に米国で人気の高い日本のクリエイターである。
『ダンテ・インフェルノ』の制作参加は、プロダクション I.Gの手がける作品の幅広さをさらに印象づけた。
プロダクション I.G
http://www.production-ig.co.jp/ アニメエキスポ(Anime Expo)2009 公式サイト
http://www.anime-expo.org/jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/special/archives/2009/07/_ig.html