話題の小説の魅力を担当編集者が語る「編集部に質問状」。今回は、若木民喜さんが
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中のラブコメマンガを、
「いぬかみっ!」(アスキー・メディアワークス)などの有沢まみずさんが小説化した
「神のみぞ知るセカイ」です。担当した同社ガガガ文庫編集部の星野博規さんに話を聞きました。
−−作品のあらすじは。
心のスキマに取りつく悪人の魂「駆け魂」を回収するため、悪魔のエルシィが美少女ゲームの達人・桂馬と
協力して現実の女の子を落とす……。原作マンガの世界観をそのままに、小説版オリジナルヒロインが登場します
。見どころは「同時攻略」。「駆け魂」の入った女の子が2人登場し、桂馬はその2人を同時に落とさなければ
ならなくなります。行動や発言がまったく予想不可能な“電波系”の女の子、そして学校内と放課後では
全く性格が違うように見える“二重性格”の女の子。その2人をどういうルートで攻略するのか、
「落とし神」と呼ばれる桂馬の頭脳が、小説版でもさえ渡ります。
−−原作はサンデーの人気作ですが、有沢さんを起用した理由は。
ライトノベルにラブコメ作品は多いのですが、有沢さんの小説は、女の子の内面や性格の描き方に、
優しさや愛情が感じられるのが印象的でした。そういった優しい視点で女の子を描く有沢さんに、
「神のみぞ知るセカイ」のヒロインを描いていただいたら、絶対におもしろいものになる、
という確信がありました。とはいえ、有沢さんは、今までガガガ文庫では執筆していただいたことが
なかったので、受けていただけるかどうか不安もありました。ところが、打ち合わせの際、
開口一番「『神のみ……』は前から大好きなマンガで、ノベライズするなら、ぜひ僕がやりたいと
思っていたんです」と。その時は、運命的なものすら感じました。
−−小説ならではの良さは。
小説では、長いセリフや会話のやりとり、心理描写なども一つ一つ書き込めるので、
女の子の内面や悩みを丁寧に表現することができたのではないかと思っています。
特に、攻略のクライマックス、桂馬とヒロインの会話のやりとりはスリリングで、非常に読み応えがあります。
−−若木先生の感想は。
非常に喜んでいただきました。小説の巻末に原作者としてあとがきをいただいたんですが、
その原稿を読んだときに、ノベライズをやってよかった、とうれしくなって感動してしまいました。
詳しくは、ぜひ小説のあとがきを読んでいただければと思います!
−−読者にひと言お願いします
「神のみぞ知るセカイ 神と悪魔と天使」は、若木民喜ファンにも、有沢まみずファンにも、
きっと満足していただけるできになっていると思います。可愛いヒロインとエルシィ、
そして桂馬の「落とし神」ぶりが小説でどう展開されるか……お楽しみください。
神のみぞ知るセカイ 有沢まみず著 若木民喜画 小学館 620円
まんたんウェブ
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20090602mog00m200022000c.html http://mainichi.jp/enta/mantan/news/images/20090602mog00m200021000p_size5.jpg