米Microsoftが、体の動きでゲームを操作できるXbox 360用ビデオカメラを開発していると、
事情を知る筋が伝えている。任天堂の成功を後押しする要因となったカジュアルゲーマーの
獲得が狙いだ。
Microsoftのビデオカメラは、任天堂のWiiにひねりを加えたものだ。Wiiでは、ユーザーは
棒状のコントローラーを手に持ってテニスラケットのように振ったりすることができる。
Wiiとは違って、Microsoftのカメラでは、ユーザーは手にハードを持たなくても画面上の動きを
操作できるという。カメラはテレビの近くに設置され、プレイヤーが手、足、頭を動かすと
その動きをとらえる。
Microsoftの広報担当者はコメントを控えた。
このカメラは、ジョイスティックとボタンが並んだ従来のコントローラーよりも直観的な
プレイ方法で消費者にアピールしようとするゲーム業界の新たな取り組みだ。
Microsoftのカメラは3D技術を使い、これまでのゲーム用カメラよりも正確にゲームを
操作できるようにすると情報筋は語る。
この取り組みは、Microsoftが現行世代のゲーム機市場でトップを走る任天堂の追い上げに
向け、てこ入れを図っていることを示している。任天堂の広報担当者はコメントを拒んだ。
任天堂は最近、Wiiの需要が減速し始める可能性を示唆したが、米国での3月のWiiの
販売台数は60万1000台と、Microsoftおよびソニーを上回った(NPD Group調べ)。
Microsoftのカメラは早ければ来月のE3カンファレンスで発表されるが、発売は来年に
なりそうだと情報筋は伝えている。
Microsoftのゲーム部門売上高は1〜3月期に1.6%減の15億7000万ドルとなった。
同社は初め、このカメラを周辺機器として販売し、いずれXbox 360にバンドルする
可能性が高いという。価格は未定。
このカメラはMicrosoftの研究部門で開発された技術を基盤とする。また事情筋によると、
同社は最近、3Dカメラを手掛け、関連特許を保有するイスラエルの新興企業3DV Systemsを
買収した。
3DV Systemsのズビカ・クリアCEOは電子メールで、「残念ながらこの取引に関する
うわさにはコメントできない。時期が来たら詳しい情報を公表する」と述べている。
Microsoftと協業している2人の人物は、同社は1年あまり前に、Wiiのコントローラーに似た
モーションコントロールデバイスを開発していたが、その計画は棚上げになったと語る。
新しいカメラのうわさはゲーム業界ブログで流れはじめているが、この製品はMicrosoft内では
秘密のベールに包まれている。
Microsoftは、独立系ゲームパブリッシャーにカメラを披露し、このカメラを活用したゲームの
開発に関心を持ってもらおうとしているという。
ITmedia News/The Wall Street Journal
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/13/news034.html