先週、アメリカでは「若年層の8.5%はゲーム中毒」という研究結果が話題を呼んだ。
“およそ10人に1人”というこの割合は思いのほか高く、一般メディアも大きく報じたが、
ゲーム業界の内外から、研究の妥当性に疑問をとなえる声も噴出している。
もともとこの研究は、アイオワ州立大学のDouglas Gentile博士と、非営利団体“National
Institute on Media and the Family(以下、NIMF)”が協同で行ったもの。市場調査会社から
提供された1,178人分のサンプルデータを、ギャンブル中毒の徴候と照らし合わせた。
その結果、「8歳から18歳までのアメリカ人のうち、8.5%はゲーム中毒の徴候を示している」
ことがわかったのだという。
Washington Postなどはこの結果を大きく報じたが、その直後から、疑問の声があちこちで噴出。
ゲーム業界団体ESAが論文を載せた学術誌に苦情を申し立てたほか、面白いことに
業界の外でも、学界や一般メディアなどからの指摘が目立っている。
以下にその例を挙げてみよう。
・ハーバード大学のCheryl Olson博士(ゲームの暴力的描写が子供に与える影響について
疑問を呈した本「Grand Theft Childhood」の共同著者)
「ギャンブル中毒の人に向ける質問を、そのままぶつけるのは適切なのか」
「8歳の子供が成人対象のネットアンケートに正しく答えられたか疑わしい」
・Oregon Health Science大学のJerald Block博士(精神医学者)
「圧力団体の支援を得た研究なので、追試を行うべきだ」
「調査が行われたのは(年末商戦直後の)1月なので、本来より高い数値が出た可能性がある」
「精神科医から中毒と認定されたわけではない」
・ABC Newsの世論調査担当、Gary Langer氏
「ネットアンケートの回答者たちは全国の縮図とはいえず、偏った結果が出た可能性がある。
本当に無作為に選ばれたサンプルを用いるべきだ」
※この指摘には、論文を作成したGentile博士が自ら「データの抱える問題を把握していなかった」
と認めたとのこと。
さらに、一連の報道に注目してきたブログニュースサイト“Game Politics”は、これらの
指摘を踏まえ、研究の当事者のひとりであるNIMFの会長、David Walsh氏にコメントを求めた。
Walsh氏は「賛否両論あるかもしれないが、研究は新たな討論の機会を提供したことは確か。
1つの研究例だけではゲームの中毒性を決定づけられない。今後もさらなる研究が必要だ」
と語っている。さすがに、あまり強気な発言はできなかったようだ。
ジーパラドットコム
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2009050102/ 関連スレ
【米国】TVゲームをする子ども、10人に1人が病的な行動パターン示すとの研究結果
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1240307375/