◆横山隆一記念まんが館(高知市)(3)
◇「まんさい」で地域活性 企画・運営、熱く議論−−実行委
「地域貢献のボランティアとして大学生に手伝ってもらえないかな」
「県内のマスコットを紹介するギャラリーをやったら面白いのでは」
「一般の人とコスプレをする人を区別してしまってはイベントが成立しない」−−。
今月22日夜。横山隆一記念まんが館で、恒例の漫画イベント
「まんさい−こうちまんがフェスティバル」(今年は11月7、8日)の企画・運営を巡り、
熱い議論が交わされていた。
メンバーは、まんさい実行委員長で漫画王国土佐の実現に取り組む吉村領さんをはじめ、
まんが館の小松康夫館長やボランティアら10人。共通項はもちろん、「漫画が大好き」。
まんさいは03年から毎年開催。昨年は人気野球漫画「MAJOR」の声優、
森久保祥太郎さんによるトークショーや、「きんこん土佐日記」作者、
村岡マサヒロさんとのお絵かき対決、クイズ大会やアニメソングライブなど計約30コーナーを用意し、
2日間で延べ1万8516人が来場した。県外からも漫画ファンが駆けつけた。
大規模なイベントだが、予算はぎりぎり。企業にスポンサーになってもらい、
まんさいの趣旨に合った形でブースを設けるなどの工夫をし、実行委のメンバーや当日の
運営スタッフは無償で携わる。
谷口厚志副委員長は「やりたいことを各自が企画して、自ら動く。みんなが実動スタッフです」と話す。
地域活性化も目的の一つ。昨年は、はりまや橋商店街振興組合の地域イベント
「新堀川ミニ史跡ツアー」を同時に開催したが、客層のズレや会場が2カ所に
分かれる距離の問題など課題も。
会合の中では、若い世代に県の歴史について興味を持ってもらう企画や、県内にいくつもある
マスコットキャラクターと物販を結びつける企画など、地域を意識したアイデアが次々と生まれていた。
「誰かが理想を掲げて伝達していかねば(来場する)1万人を変えることはできない」
「理想はそんなに簡単ではない」−−。
昨年の課題をあぶり出して正面から向き合い、誰かの発想に「面白い!それやろうよ」。
限られた漫画ファンが限られた空間で楽しむのではなく、
老若男女が漫画の世界を体験できるイベントに作り上げていくために、会合は開催日までの
半年間で15回予定されている。
「『高知といえば漫画』という礎をまんさいで作りたい。単なる祭りではなく、
みんなの中に漫画が溶け込んでいけるようなまちづくりができたら」とまんが館の岩原圭祐係長。
“まんが王国”を象徴する祭典は、今年はどんな夢を見せてくれるのだろうか。【千脇康平】
◇ミュージアムガイド
【住所】高知市九反田2の1 高知市文化プラザ「かるぽーと」内
【電話番号】<略>
【入館料】一般400円、65歳以上200円、高校生以下無料、「まんがライブラリー」は無料
【開館時間】午前9時〜午後6時
【休館日】月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)
【行き方】JR高知駅から車で約5分。土佐電鉄はりまや橋下車徒歩約5分。高知ICから車で約10分。
毎日新聞:四国 [2009/4/28]
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20090428ddlk39040756000c.html