3月18日から4日間の予定で開催された東京国際アニメフェア2009は、
4日間の来場者数が過去最高の129819人となった。
これは過去最高であった2008年の126622人を2.52%上回っている。
東京国際アニメフェア実行委員会が当初目指していた来場者数13万人に近い数字となり、
来場数については今年のイベントは目標達成したと言えそうだ。
一般に公開されるパブリックデーの来場者数は、
1日目の3月20日が前年比4.3%減となったのに対して、2日目は7.73%増加となった。
これは2日目に声優イベントなど人気イベントが集中したためとみられる。
パブリックデー全体では1.62%の微増にとどまり、
昨年まで続いていたファンイベントとしてのアニメフェアの成長は伸び悩んだ。
ビジネス目的のビジネスデー2日間はより盛況に終了した。
2日間の来場者数は、26026人と前年を6.32%上回る好調な結果となった。
このうち国内の来場者数は24460人と前年を6.8%上回った。
アニメ製作本数が減少しているとされるなか、
依然、国内におけるビジネスとしてのアニメへの関心が高いことを示した。
こうした関心の高さは、映画、ゲーム、マンガ、音楽と共に
エンタテインメント・コンテンツの中核にアニメがあること、
そこから派生するビジネスの大きさをあらためて確認するものである。
海外からのビジネス関係者の来場者数も2日間で1113人と過去最高になった。
これまで最高であった昨年をさらに7.4%上回った。
海外からのビジネス関係者の増加は、今回は中国、台湾から大規模な出展があったため、
近隣アジア諸国からの来場者数が伸びたとみられる。
一方で、欧米からの来場者は、昨年より少ないのではないかと声が会場からは聞かれた。
これまでも出展に熱心であった韓国企業も含めて、
東アジア地域のアニメ産業の力が集まったイベントと言えそうだ。
ここ数年海外市場で日本アニメは、模倣品、海賊版、インターネットでの違法配信や、
海外のライバル作品台頭などの厳しい局面を迎えている。
海外のアニメ流通会社(Distributors)の新規作品の買い付け余力は減退している。
これが欧米地域を中心とした各国バイヤーに影響を与えているとみられる。
こうしたなかビジネスデーの強化、来場数増を掲げていた実行委員会にとって、
今年のビジネス来場者の増加は大きな成功である。
今回唯一来場者数を減らしたのは、プレス関係者である。
ビジネスデーの今年のプレスの人数は886人と昨年より8.1%の減少であった。
特に2日目のプレスは14.3%減少と大きな落ち込みとなった。
これは昨年に較べて新作アニメ作品の発表などの記者発表が大きく減っていることが理由とみられる。
特に開催2日目については、取材するべきイベントがほとんどないとの声も挙がっていた。
同様にパブリックデーも2日間でプレス来場者数は556人と、
前年の662人から100人近く14.5%の減少となった。
アニメファン向けのイベントが増える一方で、
アニメ関連以外の一般のメディアの取材が減っている可能性もある。
メディアの関心は時として一般からの関心の先行指標となることもあるだけに、
今後の気になる点である。
特に今年、東京国際アニメフェア実行委員会は、
イベントの宣伝をメディアのパブリシティに期待するとして、広告宣伝費を大きく削っている。
メディアからの関心の減退は、既に開催が発表されている2010年以降の開催に響いてくるだろう。
東京国際アニメフェア2009 公式サイト
http://www.tokyoanime.jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/03/2009_129819.html