国内で人気の高いトレーディングカードゲーム(TCG)『バトルスピリッツ』が、
この夏北米に進出することになりそうだ。米国のポップカルチャー業界情報のICv2が報じている。
ICv2によれば、バンダイ(BANDAI AMERICA)は、4月に開かれるトレーディングショーの
GAMA Trade Showにゲームを出展する。その後も、アニメエキスポやサンディエゴコミコンなどで
プロモーションを行いつつ、この夏に発売をするとしている。
『バトルスピリッツ』は昨年秋にカードダス発売20周年記念として、バンダイナムコグループが
自ら開発した大型作品である。
TCGのほかにテレビアニメ『バトルスピリッツ 少年突破バシン』の放映、マンガ化なども含めた
メディアミックスを行なっている。
カードゲームの販売は順調に伸びており、今年1月には発売から4ヶ月で累計出荷数が1億枚を
突破したとリリースもされている。男児を中心に、国内有力TCGの一角に喰い込みつつある。
また、ゲーム発表当初は、ゲームデザイン原案に海外で人気の高い
『マジック:ザ・ギャザリング Magic: The Gathering 』のマイケル・エリオット氏が
参加していることで話題を呼んでいた。
こうした海外のクリエイターの採用も、海外進出を前提にした開発の一環であったようだ。
しかし、バンダイにとっての今後の課題は、日本でテレビ放映されているテレビアニメ
『バトルスピリッツ 少年突破バシン』である。ICv2によれば、
現時点で『バトルスピリッツ』のアニメ、マンガの海外展開は現時点では確定していないという。
北米の人気TCGのうち『ポケットモンスター』、『遊戯王』、『NARUTO』、
『Chaotic』は、いずれもアニメーション作品が有力局で放映されている。
人気上位作品でテレビアニメがないのは、15年以上の歴史を誇る
『マジック:ザ・ギャザリング Magic: The Gathering 』のみである。
『バトルスピリッツ』をより強力に展開するには、『バトルスピリッツ少年突破バシン』の
テレビ放映は当然視野に入っているだろう。米国で日本アニメの放映枠を取ることが
難しくなりつつある中で、この課題を突破出来るかどうかが、
『バトルスピリッツ』の北米での行方に大きな影響を与えるだろう。
バンダイ アメリカは現在、『バトルスピリット』以外に『NARUTO』、『ドラゴンボール』、
『ベン10』、『パワーレンジャー』の4つのTCGを展開している。特に『NARUTO』は、
現在北米のトレーディングカードゲームのベスト5に入る人気作品である。
しかし、『NARUTO』も含めたこれらの4作品は、全てバンダイナムコグループ以外が
原作と著作権を持っている。
一方で、『バトルスピリット』はバンダイナムコグループの開発によるキャラクターと
ゲームになっている。作品がヒットすれば、その見返りは大きい。
それだけにこの夏の有力商品として大きな力が入りそうだ。
アニメ!アニメ!
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/03/tcg_8.html ICv2:Bandai Brings ‘Battle Spirits TCG’to U.S(英語)
http://www.icv2.com/articles/news/14472.html 『バトルスピリッツ』公式サイト
http://www.battlespirits.com/