大手広告代理店アサツー ディ・ケイ(ADK)は、2月13日に平成20年12月期(20年1月〜12月)の
決算発表を行なった。広告事業の苦戦や書籍・出版事業の減収などもあり、
全体では減収減益と現在の厳しい経済状況の影響を受けたかたちである。
連結売上高は3994億5200万円(前年同期比8.2%減)、営業利益は36億9900万円(同48.1%減)、
経常利益は53億3500万円(同40.5%減)である。
また当期純利益は、21億2500万円(同60.3%減)となった。
こうしたなかテレビ広告部門に属するアニメコンテンツ事業は、
その売上高や利益は公開されていないが、ADKは順調だったとしている。
アニメ番組の海外販売や新旧の作品のDVD販売が順調だった。
また新しい試みとして、2008年はアニメ番組のPCサイトや
モバイルサイトでの動画配信に着手したとしている。
しかし、円高が急激に進んだことから、円ベースでの海外番組販売の売上高は大幅に減少した。
円高によるアニメ番組販売の海外販売売上高の急減は、先に発表されているテレビ東京の
第3四半期の決算でも言及されている。アニメライツ事業の海外事業の開拓で、
世界経済に大きな影響を受けやすいという、アニメ事業の新たなリスクが
アニメ業界に表れているようだ。
もともとADKは、広告代理店の中でもアニメ関連事業での強みがあることで知られている。
同社は、現在の広告事業に次ぐ第2の収益源とアニメ製作とその2次利用を位置づけている。
今後もアニメ関連事業の強化する方針とみられる。そのため今後もヒット作の育成や
PC、モバイル向けの動画配信事業などで国内市場を開拓し、海外での番組販売や
二次利用収入の拡大も目指すとしている。
アサツー ディ・ケイ
http://www.adk.jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/02/adk_1.html