2009年2月4日、都内にある晴海トリトンスクエア第一生命ホールで“すぎやまこういちと
東京メトロポリタン・ブラス・クインテット 〜名曲・新曲・ドラゴンクエスト〜”が開催された。
開演まえにはすぎやま氏のコンサートにおける恒例行事、報道陣を楽屋に招いての
記者会見も実施。今回のコンサートは2部構成で、第1部はすぎやま氏がこれまでに関わった
『ドラゴンクエスト』シリーズ以外の代表曲をお披露目する内容ということで、「僕も作曲家として
いろいろな面がありますが、今日はそれを全部お見せしよう思います」とエネルギッシュな
コメントで会見はスタートした。
すぎやま氏は、第1部の聴きどころとして、東京メトロポリタン・ブラス・クインテットに触発されて
作曲した新曲『金管五重奏組曲』を紹介。「ゲームはもちろん、 CM、歌物、映画など、
僕はいままでにいろいろなジャンルの音楽を作ってきました。それらは実用音楽というもので、
作曲家にとって非常に大事なものです。一方で、誰の注文も受けずに作ったものを
純音楽といいます。『金管五重奏組曲』はこの純音楽に当たるもので、僕自身演奏されることに
ワクワクしています」と、初演が迎えられたことをうれしげに語った。
『ドラゴンクエストシリーズ』の楽曲で構成される第2部で、とくにすぎやま氏が強調したのは
2009年3月28日発売予定のニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』から
演奏される『序曲IX』と、おなじみのオープニングテーマにアレンジを加えた『序曲のマーチ』。
『序曲IX』はすでにゲームイベントなどでお披露目されているが、生演奏されるのは今回が
初めてとのこと。もうひとつの『序曲のマーチ』はジャズ風のアレンジになると語った。
すぎやま氏は、今回の曲目に『ドラゴンクエストV』からの楽曲が多いということで、同作の
思い出話も披露。「もっとも回数多くクリアーしたゲームのひとつだと思いますね。浮気者の
すぎやまとしては(笑)、ビアンカとフローラのどちらも選択しなければいけないので最低でも
2回は遊びますから。ニンテンドーDS版では、お嫁さんがひとり増えたので3回はやりましたよ」
と、思い入れの強さをアピールした。
『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』についてもすぎやま氏は言及。まず、今回初演される
『序曲IX』については「携帯機で初めて出るナンバリングタイトルという意味で『IX』は新しい
シリーズの始まりだと感じています。『序曲』は『IV』でもいちど新しくなっており、今回も
そのようなインパクトがほしかったので、作曲はかなり試行錯誤しましたが、最終的にはヨシ!
と思えるものができました」と、完成度に自信を見せた。ゲームの内容に関しては、
サウンドのデバッグに参加し、すでにかなり遊んでいるということもあって、突っ込んだコメントも。
「いままではテレビの前でしか遊べなかったのが今回はどこでも遊べるようになった。これは
プレイヤーにとってすごく大きなメリットですね。画面が小さいのは、僕も最初不安でしたが
遊んでみたら全然そんなことない。上下2画面を非常にうまく使っているし、フォントも
高齢の人を考えてか大きいんです。とてもユーザーフレンドリーな印象を受けましたね」
(すぎやま)。
最後にすぎやま氏は、『IX』に収録される新曲の数が「CDにすれば2枚組みくらい」と
大ボリュームになることを発表。「注文されて作った曲だけでなく、「このシーンの音楽を
作らせてください!」と僕から申し出て作った曲も入っています」と力が入っていることを強調した。
ファミ通.com(一部略)
http://www.famitsu.com/game/news/1221812_1124.html