大手アニメ製作会社トムス・エンタテインメントは、1月28日に平成21年3月期第3四半期(20年4月〜12月)
の業績発表を行なった。同社の事業は全体の2/3を占めるアニメ事業とおよそ1/3を占める
アミューズメント施設運営事業から構成される。
連結売上高はアミューズメント事業が14.5%の大幅減少となったことから、全体でも前年同期比で
2.3%の減収となった。また利益面では、営業利益が85.7%減の8400万円、
経常利益が88.4%減の7200万円、四半期純利益は99.6%減の100万円と厳しい結果となった。
しかし、アニメーション事業に限ると売上高は、70億300万円と前年同期より4.2%増加している。
海外向けの販売収入やネットワーク事業収入、商品化権収入などが増加しているためである。
けれども、アニメーション事業のうち制作売上高は減少している。劇場映画制作が拡大したが、
テレビ制作、コンテンツ制作が減少した。制作事業全体では売上高は30億7600万円、
前年同期比で4.0%の減少だった。
テレビ制作からの収入減少は、先に第3四半期決算発表を行なった東映アニメーションでも見られた。
今回のトムスの決算で、アニメ制作業界1位、3位の2社が共にテレビアニメ制作を減らしていることになる。
(業界2位は非上場のサンライズ) 昨今、指摘されている業界全体のテレビアニメ制作本数の減少が、
大手の制作会社にも影響を与えているとみられる。
ロイヤリティなどの販売収入は増加した。これはトムスが進める、海外事業、ネット事業、版権事業の
拡大の成果が表われていそうだ。売上高は39億2700万円、前年同期比11.6%増である。
しかし、アニメーション事業全体の売上高は増加したが、利益面では苦戦している。これは権利販売で、
ビデオパッケージの販売収入が大幅に減少したためである。こちらでも業界全体が厳しいとしている
DVDのビジネス環境の影響が出たとみられる。
トムス・エンタテインメント
http://www.tms-e.co.jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2009/01/3_19.html