日本のアニメ・マンガをテーマにしたイベント(アニメコンベンション)の情報を提供する米国の情報サイト
AnimeCons.comは、2008年の北米アニメコンベンションの参加人数ランキングを公表した。
AnimeCons.comがまとめた2008年のアニメコンベンションの総括と合わせたものである。ランキングは
イベントの参加人数も公表しており、2007年との比較で、ベスト10に入ったイベントの全てが増加している。
上位10イベントの参加人数の合計は、2007年の約15万7000人から約18万2000人に拡大した。また、2008年は
AnimeCons.comが調査を取りはじめて以来初めて、上位10イベントの参加人数が全て1万人を超えた。
ここ数年、北米で日本のアニメビジネスの不調が伝えられるが、アニメコンベンションに関する限りは
依然成長ビジネスであるようだ。
しかし、AnimeCons.comは、中小のイベントに較べて大型イベントの伸び率は鈍っており、経済不況の影響が
あると指摘している。参加費が高額の大型イベントより、地元の安いイベントに参加者が流れているという。
北米経済の深刻さが増したのは2008年の秋以降だから、そうした影響が出るとすればむしろ今年2009年である。
今年のアニメコンベンション動向がより注目されそうだ。
そうした中、2008年に北米で最も参加者の多かったアニメコンベンションは、ロサンゼルス市で開催された
アニメエキスポ(AX)2009であった。参加者数は43000人で、昨年の41600人から微増となる。ただし、
昨年の参加者数は44000人と発表されている。その後下方修正された数字からの増加と、
やや不透明感のある数字となっている。
1990年代後半から急成長を遂げたAXも、さすがにその拡大に陰りが見えているようだ。それでも、
今年は会場を、これまでのロサンゼルス近郊のアナハイム市、ロングビーチ市といった場所から、
ロサンゼルス市の顔であるロゼンゼルス・コンベンションセンターに移し大きな注目を浴びた。
AXはロサンゼルス市と市内開催について長期契約を結んでいるから、当分の間はロサンゼルス市の
ダウンタウンで落ち着く。地の利の良さもあり全米最大の位置は当分揺るぎそうもない。
しかし、参加者26934人となった2位のOtakonが、AXより勢いがありそうだ。前年の参加者22852人から26394人
に増加している。Otakonの数字は、AXと違い企業関係者やスタッフ、プレスなどを含んでいないから、
AXと同様の計算をすればその数は3万人に近づく。名実共に北米の2大コンベンションと言えるだろう。
Otakonの成長は、これまで西海岸のイベントが優位だったなか、東海岸のイベントの成長を感じさせる。
今回3位にランキングしたニューヨーク・アニメフェスティバル、ここ数年急成長を続ける
アニメボストンなど東海岸のイベントの拡大が目立つ。
特に非営利団体の運営が一般的なアニメコンベンションの中で、営利企業リード・エグジビジョンが
運営するNYアニメフェスティバルが注目される。
同社は既に別に開催するニューヨークコミコンを、わずか3年で全米第2位のポップカルチャーイベントに
育てた実績がある。今回も開催2年目で、北米第3位のアニメコンベンションを誕生させたことになる。
アニメDVDや放送、オンライン事業で収益があがらない中、ライブイベントのビジネス性が注目されているが、
ニューヨーク・アニメフェスティバルはそうした動きに乗ったかたちだ。
>>2へ続く
AnimeCons.com
http://www.animecons.com/ Looking Back on the Anime Conventions of 2008
http://www.animecons.com/news/article.shtml/800 animeanime.jp
http://animeanime.jp/news/archives/2009/01/animeconscom.html