バーチャルワールドにおけるリアルマネートレード(RMT)に対して、課税の動きが世界的な
規模で目立ちはじめている。昨年後半には、中国、韓国、スウェーデンが課税を検討中で
あることが報じられたが、先日アメリカでも、「将来を見越した動きをとるよう」米国税庁(IRS)への
提言が行われていることが、“Washington Post”公式サイトの報道により明らかになった。
この提言を行ったのは、納税者擁護官のNina Olson氏。納税者擁護官とは、IRSの理不尽な
取り立てや怠慢から、納税者の権利を守る存在(日本にはこれほど権限の強いものは
存在しない)。 2008年度の報告で彼女は、財政的困難に瀕した納税者のために便宜を
はかるべきだと提言している。
同氏はさらに、バーチャルワールドにおける経済活動が盛んになっている点も指摘。
2005年に10億ドル以上の取引が行われたことや、現在1600万人以上もの人々が
バーチャルワールドに参加している事実を挙げたうえで、仮想経済活動は、IRSが報告の
ガイダンスをきちんと与えていないために、利益に応じた納税を拒否する動きが顕在化する
可能性があると述べた。
この提言を受けたIRSは、今後、バーチャルワールドにおける企業や個人の経済活動に
対して、積極的に目を向けるかもしれない。それは政府がRMTを公認すると同時に、
納税義務の明確化にもつながる可能性がある。
ジーパラドットコム
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2009011402/