カレー、スパゲティ・・・ 記憶たどり再現
山陽新幹線の岡山―博多間が開業した1975年頃、広島駅(広島市南区)の構内にあった
「日本食堂」で人気だったカレーとスパゲティが12日、同駅構内の飲食店で“復刻”された。
定期運行を終えた最初の新幹線・0系が、最後の臨時運転を行う14日まで、1日各30食限定。
「夢の超特急」に初めて乗った日に思いをはせつつ味わう人たちでにぎわいそうだ。
日本食堂は1989年まで広島駅構内にあったレストランで、0系車両に連結されていた
食堂車の運営も行っていた。JR西日本の関連会社「ジェイアールサービスネット広島」が
業務を引き継いでいる。当時のメニューやレシピは残っていなかったが、
カレーとスパゲティは約100種類あったメニューの中で、特に人気があった。
当時から在籍する調理師の吉田昇さん(58)と藤井文麿さん(61)が記憶を頼りに再現した。
カレーのルーは黄色くさらさらで、肉じゃがのように大きな具が特徴。吉田さんは
「素朴だが、一番記憶に残っていたメニュー。中学生の頃に初めて食べ、あまりのおいしさに卒業後、
日本食堂で働きたいと思うきっかけにもなった味です」と感慨深げ。73年頃からコックとして働く
藤井さんはスパゲティを担当した。当時は高級だったケチャップをふんだんに使ったナポリタンで、
豚カツが載り、ボリューム満点。「家庭でスパゲティが作られることもあまりなかった時代、
まさにごちそうという感じでした」と振り返る。
当時は料理を楕円(だえん)形の銀色の皿で出していたため、今回もステンレス製の銀色の皿を使うなど、
こだわりも。カレーは新幹線改札外の「味庵ひろしま1号店」で380円で、
スパゲティは改札内の「ルミエット」で400円で販売するなど、値段も抑えた。
12日は、午前11時の開店から、注文する人が相次いだ。スパゲティを注文した南区段原、
会社員尾田孝之さん(48)は「当時は食べられなかったので、とてもうれしい」と笑顔。
カレーを食べた東区牛田、大学生金田一穂さん(22)は「あっさりしていて、何杯でも食べられそう。
鉄道ファンの両親を、明日にでも連れてきたい」と話していた。
読売新聞
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