ティー・ワイ・オーは12月8日に、平成21年7月期第1四半期(20年8月〜9月)の決算発表を行った。
発表によれば連結売上高は前年同期の65億2900万円を上回る68億1400万円だった。
しかし、営業利益は1億5900万円のマイナス、経常利益は2億4900万円のマイナス、
純利益は5億7100万円のマイナスと、利益面では苦戦した。
同社の事業は広告映像、アニメ、ゲーム、音楽、CG、Webなど
幅広い分野のコンテンツ制作から構成されている。
数多くの子会社があり、子会社の総計として連結決算のため個別企業の業績は見え難い。
実際には、今回も業績好調なグループ会社も少なくない。
ゲーム、CG、アニメ、音楽、映像などから成り立つエンタテインメント事業で好調だったのは、
CGの企画・制作のデジタル・フロンティアとルーデンなどのスである。
発表によれば両社とも売上高、利益とも業績目標を大きく上回った。
デジタル・フロンティアは、今期『バイオハザード:ディジェネレーション』、
ルーデンスは『パコと魔法の絵本』とそれぞれ話題作を制作している。
そうした注目がビジネス面での成果にも繋がっているようだ。
映像番組とその著作権を管理する円谷プロダクションも、
売上高、利益共に業績目標を超えており、引き続き堅調に推移している。
一方、アニメとゲームは苦戦した。アニメーションの企画、制作はハルフィルムメーカー、
ゆめ太カンパニー、動画工房など複数の企業があるが、全体で売上高目標を上回っている。
しかし利益目標は未達成となったため、連結利益での減少要因となっている。
朱雀、Genterprise、スティング、5pbなどのゲーム会社も、いずれも売上高が目標に達しなかった。
またキャラクター関連のドワーフも売上高、利益が目標に届かなかった。
エンタテンイメント事業全体では、売上高は26億1600万円と全体の4割近くを占める。
またM6Aののれん代1600万円を含む営業損失は5300万円である。
一方、中核事業の広告映像は、売上高32億6600万円、営業利益1億1300万円と黒字だったが、
WEB事業、インターナショナル事業共、それぞれ4600万円、1億1500万円の営業損失となっている。
まだ第1四半期の決算だけではあるが、中核事業に利益を得る一方、
新規参入分野やM&Aで買収した企業が苦戦している様子が見て取れる。
M&Aによるのれん代の償却が負担になっているのに加えて、新しい企業の増加のスピードが、
グループ全体の合理化、シナジー効果に追いついていないとも言えそうだ。
今後の見通しについては9月18日発表の連結業績予想通りとしている。
現時点においては景気減速の影響が読みきれないたまである。
今後広告映像事業やWEB事業、インターナショナル事業のメイン・クライアント動向を
見極める必要があるとし、そのうえで業績予想修正が必要となれば発表する方向である。
ティー・ワイ・オー
http://group.tyo.jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/12/tyo1q_web.html