米国最大のアニメ流通会社ファニメーション(FUNimation)の親会社ナバレ・コーポレーション
(Navarre Corporation)が、10月30日に2008年第2四半期の決算発表を行った。
第2四半期までの売上高は前年同期の2億8070万ドルから3億1230万ドルに増加した。
一方、営業利益は前年の620万ドルから600万ドルに、純利益は510万ドルから190万ドルに減少した。
しかし、第2四半期だけを見れば、営業利益は前年同期で98%増の320万ドル、
当期純利益も前年の40万ドルのマイナスから130万ドルのプラスに転じた。
ナバレは第2四半期が好調だった理由について、ゲームソフトとPCソフトウェアの販売が
大幅に増加したためとしている。
さらにパッケージソフト発売(Publishing)事業のなかで、特に日本アニメの売上が急伸した
としている。またアニメは、利益面でもナバレの業績改善の大きな理由だとも特に言及している。
ナバレの主要事業は、パッケージソフト発売とその流通、ホームエンタテイメント、
マルチメディア関連の流通・販売である。パッケージソフト事業には、
日本のアニメと映画に特化したファニメーション、ジャンル映画と音楽ソフトのアンコール(Encore)、
コンピューターソフトウェアを中心とするBCIがある。
このなかでファニメーションは第2四半期に、売上を大きく増加させた。これは期間中に
新しいアニメ作品のライセンスを大量に獲得したことと、デジタル配信で幾つかの
新しい契約合意に達したためである。
一方でアンコールは前年並みとしており、BCIの業績については触れられていない。
パッケージソフト発売(Publishing)事業のなかでのファニメーションの存在感が、
さらに強まっている。
パッケージソフト事業全体の第2四半期の継続事業収益は、前年同期比で149%増の310万ドルに達した。
これについてもナバレは、アニメDVDの売上高増加とBCIの営業コストの減少のためとしている。
ファニメーションがこのセクターの業績を牽引していることを明らかにしている。
現在、北米では日本のアニメDVD市場の不振が伝えられている。しかし今期のナバレの決算を見る限りでは、
業界最大手のファニメーションの売上と業績は好調なようだ。
これは今年に入ってファニメーションが、新たな有力アニメ作品のライセンス獲得に力を入れた結果と
見られる。ファニメーションは、もともと『ドラゴンボールZ』や『鋼の錬金術師』といった
有力タイトルを保有していた。
これに加えて、今年になってジェネオン エンタテインメントUSAのこれまで展開していた
アニメタイトルの有力作品の一部、ADヴィジョンが保有していたアニメタイトルの一部を相次いで引き継いだ。
同社はマーケットシェアを拡大することで、現在のアニメDVD市場の不振を乗り越えつつある。
NAVARRE
http://www.navarre.com/ ファニメーション(FUNimation)
http://www.funimation.com/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/10/2q.html