【インタビュー】ゲームプランナー西健一 ―― 浪人時代、親のスネかじって遊びまくってるだけみたいな感じだった・・・
ゲームクリエイター特集第1弾、今週はゲームプランナーの西健一さんの登場です。
異色な作風で知られる西さんが「自堕落な」と表現される浪人時代から、
黎明期のゲーム業界へと歩みを進めた20代をお届けします。
僕は東京で高校を卒業してから、けっこう長い間浪人生活をしてたんです。
わりと進学校を出たんですけど、僕の周りはまあ遊んでたんで、だいたいみんな浪人するような感じでしたね。
それで一浪のときもなんとなくみんなで麻雀やったり、朝からパチンコに並んで打ったりして遊んでたんですよね、ずっと。
当時から僕、ゲームが大好きだったんです。
パチンコで勝つと、食べるお金を削ってでも新しいゲームソフトがあれば取ってくるみたいなことをずっとやってました。
パチンコをやってソフトを取って、家でゲームをやって、でまたパチンコに行ってソフトを取るみたいな。
メチャクチャなサイクルなんですけど…。
3浪目ぐらいからは、受験や予備校に行くお金を親からもらって、実際には申し込みもしないし試験も受けないみたいな、
要は親のスネかじって遊びまくってるだけみたいな感じだったんです。
そうやって遊び倒しているうちに、7、8人仲良いのがいたんですけど、2浪目、3浪目でどっかに受かったりして、
一人抜け二人抜けと脱落していくっていうか、受験を辞めて専門学校入るのもいれば就職しちゃうのもいたりとかで、
だんだん遊ぶ友達がいなくなってきたんですよ。ヒマだと人間すごく寂しいじゃないですか。
「あ〜れ〜、ひとりになっちったな…」みたいなときが、高校出てから5年ぐらい経ってるようなときです。
もう現役で入った連中は大学を卒業し始めてるんですよね。
そんな自堕落な日々を送っていた僕ですが、当時本をすごく読んでたので、ちょこちょこっと小説らしいものを書いたり、
シナリオの学校にもちょっとだけ顔出したりもしてたんですね。90年頃のことです。
ちょうどそのころは、テレビゲームがカセットからCDロムの筐体へと時代がグッと動いてたときなんですね。
CDロムだと容量が大きいですから、ゲームにストーリーが乗ってきて、物語でなにかを語ることができるようになっていく時代です。
それで、僕の無軌道ぶりを心配した友達が「ゲームができてシナリオが書ける人募集中」みたいな求人を雑誌で見つけて来てくれたんですね。
軽い気持ちで一応面接に行ってみたんですが、持っていったメモ書きの企画が気に入られて、最初はバイトからってことでその会社に入ることになったんです。
ゲーム会社に入ると、新しいものは見とかないといけないからっていうので、ゲームで遊ぶことが仕事になるんですよ。
まだそんなに職業意識はないですから、「うわっ、やっべ〜。良い遊び場所見つけちった」って感じですよね。
企画課にプランナーとして入ったんですが、プランナーっていうのは一番うさんくさくて一番シビアな職種だと思ってます。
要するに手に職がないから口八丁手八丁のアイディア勝負なんです。
しかもアイディアだけ光ってても、それを人に伝える能力がないとダメなんですね。
最初はゲームで遊んでお金がもらえる天国みたいな場所だと思ってたんですけど、だんだんこの仕事面白いぞって、
取り組み方が変わってきたんですね。そこで何本かのソフトに関わってるうちにディレクターに格上げされて、
1、2本自分で手がけたものがそこそこ売れたんです。
入ったとき23歳ぐらいだったんですが、出入りが激しくてみんな辞めちゃったりする職場だったから、
1、2年で企画課にいた10人ぐらいが、ほぼみんな僕より若いみたいになってました。
それで入って2年目のとき「まとめ役が必要だから課長になれ」って言われたんです。
でも僕には、人を育てるとか人の面倒を見るなんてことはまったく無理っていうか、
なにして良いかさっぱりわかんないわけですよ。それと、その会社はそれほど大きくはなかったので、
この歳でこの規模のところで課長をやってもたぶん面白くない。なにもできないまま終わっていくんじゃないかと、
漠とした不安に襲われたんです。せっかくこの業界に入ったんだったらトップを見てやろうって思ったんです。
そのころって、出すたびに何百万本の大ヒットを続けている「ファイナルファンタジー」っていう
ロールプレイングゲームが出てきたばっかりで、それを作ったスクウェアっていう会社がものすごい勢いだったんです。
それで昇進を断ってスクウェアに転職するっていう選択を採ったんです。
引用元
ttp://www.nhk.or.jp/hataraking/buchake/buchi20_081007_01.html インタビューは
>>2へ
僕がスクウェアに入ったとき、あるメーカーが新しいゲームマシンを出すって話があったんです。
それに向けて準備をするプロジェクトで、4人ぐらいしかいないラインにいきなり組み込まれたんですよ。
でも、普通だと試作のデモンストレーションマシンが送られてきていろいろ試すんですけど、そのマシンが一向に来ないんですよ。
それで1年ぐらい飼い殺しみたいな状況だったんです。
当時スクェアは裁量労働制を採っていて、1時にタイムカードを押せば、帰りの時間は何時でも良かったんです。
僕はやることがないから1時に行って1時5分には帰ってました。
そのうち“帰っちゃう派閥”ができて、そういう連中と昼間から映画見て夕方になると酒を飲んでっていうのをず〜っと繰り返してたんです。
そうしたら急に待っていたマシンが出ないってことになって、そのうちに社内で立ち上げたドリームプロジェクトに組み込まれたんです。
そのプロジェクトは「クロノ・トリガー」っていうゲームの開発でした。
そこで僕が皮膚感覚的にすごくつまんなかったのは、僕が作った感覚がまったく持てないってことでした。
トップ5人ぐらいの人は自分たちで作ったっていう意識でしょうけど、僕なんかは歯車の一部です。
それはそれでまあ良いんですけど、友達にそのゲームで遊んでもらったときに、友達としては僕を通して
そのゲームを見るから「西スゲェな」って、そういう言い方になるじゃないですか。
最初は「いやいや、僕がすごいんじゃなくて、会社がすごいんだ」とかいろいろ説明するんですけど、
だんだん説明すんのがめんどくさくなってきて、「スゲェだろ」みたいなことになっていくんですよね。
そこら辺で「俺なにやってんだ。ちょっとおかしいな、これは…」みたいな気分になってきたんですよね。
巨大なシステムのなかの自分と周りから見たイメージのギャップがあって、居心地の悪さがどんどん募っていったんです。
それと同時に、スクウェアのカラーは王道のなかの王道だから、そうじゃないものを作りたいって言う欲求が
どんどん蓄積されていきました。“帰っちゃう派閥 ”のやつらで集まって飲んでるときに、「こんなの作りたいよね」って
話しをよくしてたんですよね。それでなんとなく企画書を書き始めたんですが、いろんな人の意見を踏まえて
何回もリライトしてるうちに、ちゃんとしたものになってたんです。
「moon」っていうゲームなんですけど、見せるとみんなおもしろいと言ってくれるレベルになってたんですよ。
でも、どう考えてもスクェアのラインナップにありそうなタイトルじゃないんですよ。
だって、王道のロールプレイングって、必ずモンスターを殺しまくる勇者が主人公じゃないですか。
その主人公がバッカバカ斬って殺して殺してみたいなことをするのがバカバカしく感じるようになってたので、
「moon」はその殺されたモンスターの魂を救済するゲームだったんです。
だから、「これを会社に上げるのは無理だよな」って話で、でも面白いから作りたいって、
このゲームはわりと少人数でも作れたんですが、一緒にやりたいっていう仲間が何人か集まってきてくれてたんです。
映画で言ったらインディーズ系とハリウッド資本でバンバン作るみたいなところを両方経験してみると、
結局はどっちが居心地良いかみたいな問題になってくるんです。僕の場合は最初に入ったぐらいの規模で、
全体が見渡せる方が居心地が良いんだなっていう自分のスタンスがようやく見えてきたんですね。
そう思うようになってからは、会社の仕事は人に迷惑をかけないぐらいにちゃんとやる。
ただ、もっと頑張って会社に認められようってことはしないで、ほかの時間は自分のやりたいことに充てる
スタイルに切り替えたんです。それでスクェアを辞めてラブデリックっていう会社を立てたのが28歳のときで、
「moon」の発売にこぎ着けたのがちょうど30歳。そんな20代でしたね。
>>3へ
今の若い人が働く環境って、格差だなんだってどんどんきつくなってるって気はします。
でも今の日本で、なにも都心の夜景が綺麗な部屋に住んで、高級車に乗って高いワインを飲んでってことに
価値があるわけじゃあまったくないんですよね。そういったことが下らないっていうのがバレちゃったから、
みんなもう少し違うところを探るみたいな、若い世代のカルチャーはそういう風になってきてると思うんですよね。
それで全然良いと思うし、ずっとがんばり続けることなんか無理なんだから、
うまく抜きどころを覚えて頑張んなきゃいけないとこだけ頑張っていけばいいんじゃないでしょうか。
僕は「自分自身の価値観を変えることが世界を変えることになるんだ」と思うんですけど、どうなんでしょうね。
4 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 00:25:50 ID:PKE8+w4B
フーンあっそ
5 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 01:18:32 ID:OudEOFv5
萌え+なのか…?
6 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 01:20:58 ID:VWDU6TD8
アスキーの社長?
7 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 01:24:35 ID:krIgGLFE
親のスネかじって遊んでたって自覚があるだけマシですよ
少なくとも感謝はしてるってことだし
それすらないやつも多いからな
8 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 01:39:44 ID:Zf6PLMF9
8浪の俺はエロゲ三昧
最高や!
9 :
なまえないよぉ〜:2008/10/12(日) 03:36:15 ID:KDCUY4Ff
本人にとっては非常に不本意かも知れないが
西和彦と混同して困るw
× プランナー
○ プラナー
◎ プラナ
スクウェアのひとだったのか
>>10 こいつ森ひろしじゃね