日本においては、株式会社ハドソンがiPhone用ゲームアプリの先駆者的存在になっている。
同社はiPhone 3Gの発売前からゲームやジョークアプリを世界に向けて、しかも無料で配信してきた。
もちろんAppStoreでも、iPhone 3G発売と同時に「BOMBERMAN TOUCH -The Legend of Mystic Bomb-」
など3タイトルを展開。日本国内では圧倒的な人気を集め、ランキング上位を独占した。
そのiPhoneも、意外と沈静化するのが早く、当初のような勢いは感じられない。特に、iPhoneに
参入している日本のゲーム会社が少なく、ゲーマーにとってもやや寂しい状態だ。iPhoneは
ゲーム機としてどうなのか? これからも可能性はあるのか? その疑問を、日本で最も成功している
ハドソンにぶつけてみることにした。
インタビューを受けていただいたのは、ハドソン執行役員NC本部本部長の柴田真人氏。
iPhoneを含め、同社のモバイルゲームを統括している人物である。
■ 全てのゲームがiPhoneに合うわけではない
――まずiPhoneをゲームハードとして見た場合に、どういう印象を持たれていますか?
柴田氏 : 思った以上に開発しやすいですね。今まで見てきたモバイルやコンシューマーと比べても、
開発は順調に進められていると思います。
――モバイルに比べてもですか? モバイルゲームと特別大きくは変わらないと思うのですが、
その理由は何でしょうか?
柴田氏 : 1つは端末が1種類なので、端末ごとの差異を気にしなくていいことです。これはものすごく
大きいですね。かなりの作業量を軽減していると思います。もう1つは、画面が比較的大きい割には、
PS3のようにやたら描き込むような意識で作るほどでもないことです。
■ iPhoneで日本向けのコアタイトルは作れるか
――ハドソンさんとしてはiPhoneのビジネスは、儲かっていると言えるところまで来ているのですか?
柴田氏 :弊社で言えばもちろん儲かっていますよ。特にiPhoneは圧倒的に北米が強いので、北米の
トップクラスはものすごく儲かっていると思います。うちは北米では、ローンチ当初は30位くらいで、
半月くらいで100位から落ちました。北米で100位に入らないと、数字は本当に厳しいですね。
逆に北米で50位以内に入ると、かなりいけると思いますよ。
――もうちょっと日本人向けのコアなタイトルは出てこないのかと、ずっと思っています。例えば日本の
ゲームユーザーは大作RPGが好きですよね。そういうタイトルが出てくる可能性はないのでしょうか?
柴田氏 :いやもう、うちは作っていますよ。ずっと儲からないまま10年も20年もやるつもりはないですが、
我々としては十分な売り上げがあるので、もっとアグレッシブに行きます。
――逆に、米国などにそういったタイトル持っていっても、かなり辛いとは思います。
柴田氏 :そうですね。だから単純に、日本のままというイメージではありません。海外でも受け入れられる
ような仕立てにはするつもりです。
GAME Watch(一部抜粋)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20081006/hudson.htm