ビデオ・CDのレンタルチェーン事業のゲオは、アニメ製作会社トムス・エンタテインメント(TMS)と
契約していたアミューズメント事業の譲受を中止すると発表した。
TMSからゲオへのアミューズメント事業譲渡は平成20年5月23日に公表されていたが、
TMSとの合意のもとこれを解約する。
契約ではTMSは、同社の総売上高のおよそ1/3にあたる年間47億円規模のアミューズメント事業を分社化し、
この会社の株式をゲオが全て購入する予定であった。譲渡金額は34億5000万円で、
10月1日に新会社の分割と譲渡が同時に行われることになっていた。
しかし、譲渡契約日直前に、この契約の解約が発表された。
ゲオは今回の契約合意の解約のために、解決金として2億4000万円をTMSに支払う。
ゲオは今回の株式譲受合意の解約は、契約締結以降の景況観の著しい低下と、
譲受対象となるアミューズメント事業が当初予算を達成していないことを理由に挙げている。
こうしたことから、ゲオは、仮に事業を譲り受けても当初予想した収益を維持することが困難と判断した。
一方、TMSは、アミューズメント事業の譲渡に備えて、既に同事業部門の分社化を進めていた。
TMSはこれについて、アミューズメント事業の発展に、意思決定の迅速化と経営効率の向上が不可欠とし、
予定通り分社化を行うとしている。
もともとTMSは、同社の主力事業であるアニメーション事業に特化するために、
アミューズメント事業の売却を計画した。しかし、今回の譲渡契約の破棄により、
今後も引き続きアミューズメント事業を手掛けることになる。
今後TMSが、再び別の企業に同事業の売却を持ちかける可能性は高い。
しかし、アミューズメント施設の運営事業は、TMSだけでなく
業界全体が郊外型店舗を中心に不振となっている。アミューズメント業界全体の
先の見通しが不明瞭なため、直ぐに売却先をみつけることはむずかしそうだ。
このため不安定な経営状況にあるアミューズメント事業を今後も保有することが、
TMSの全体の事業にとっての不安定要素として残る。
ゲオ
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