IGRいわて銀河鉄道の奥中山高原駅(一戸町)で犬の名誉駅長が乗客の人気を集めている。
同駅の駅業務を委託されている本木ヨコさん(65)のヨークシャーテリアで、
名前はマロン(8歳、オス)。制服を着た愛くるしい姿を県外から見に来る人もおり、
本木さんは「お客さんの笑顔がうれしい」と喜んでいる。
「敬礼」で出迎え
マロンの仕事は、始発列車が到着する前の午前6時30分から始まる。
改札で乗客を出迎え、列車の運転士には、本木さんに手を添えてもらいながら、
「敬礼」のポーズをとる。駅に人が来ると気配を感じ、本木さんにほえて教えることも。
駅周辺を歩き回る“パトロール”も怠らない。
本木さんは、IGR開業以前の1999年11月から、町役場を通じて
JR奥中山駅(現・奥中山高原駅)の業務を依頼され、駅員を務めていた。
「いつも一緒にいたい」と、マロンを駅に連れて行き始めたのは、翌年から。
マロンは乗客の人気を集め、駅の「看板犬」になった。
それを知ったIGRの照井崇社長が今年6月、マロンを名誉駅長に任命し、
本物と同じ紺色を基調としたデザインの制服を贈った。
これがさらに話題を呼び、今では1日20人前後がマロンを見に来るという。
北海道や大阪から足を運ぶ人もおり、厳しい経営が続くIGRにとっても誘客効果は抜群だ。
「見ていて飽きない」と駅に2時間も滞在する人もいる。通院で駅を利用する岩手町御堂の
農業吉谷地アキ子さん(59)は「電車を降りた時に駆け寄って来てくれると、元気になる」
と目を細める。
グッズも人気
マロンの誕生日だった8月19日には、乗客からドッグフードなどがプレゼントされ、
祝電も届くほど。予想以上の人気ぶりに、IGRはマロンの携帯ストラップを作ったほか、
休日の様子やプロフィルなどをホームページhttp://www.igr.jp/に掲載した。
奥中山高原駅で限定販売されているストラップは、7月の販売開始から2か月間で
700個以上売れたという。
本木さんは「あまりマロンが疲れすぎないように健康管理しながら、
お客さんを元気にしていきたい」と話している。
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20080929-OYT8T00096.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20080929-4546449-1-L.jpg