今や世界の共通語となった「MANGA(漫画)」。それら日本のポップカルチャーをTシャツの
絵柄にした東京発ブランド「QUOLOMO(コロモ)」が海外進出に乗り出した。15日に営業開始した
シンガポール店に続き、年内に中国、韓国、オーストラリアなどに5店舗をオープンする。日本の
ポップカルチャーを強力なコンテンツとして取り入れ、世界に発信する動きがファッション業界で
広がっている。
コロモは、日本を代表するキャラクターの「ハローキティ」や人気アニメの登場人物、グラビア
アイドルなど、特に海外で人気の高い“日本ならでは”のコンテンツを商品デザインに取り入れ、
Tシャツを中心に販売している。今年4月に立ち上げて以降、百貨店などの期間限定ショップで
大きな反響を呼んだ。7月に開設したオンラインショップでも、スタート3週間足らずで1200万円以上
販売したという。
今月23日には東京・原宿のラフォーレ原宿に国内1号店を出店する。また、シンガポール店に
続いて、年内にも中国・上海、香港、韓国、台湾、オーストラリアに海外フランチャイズ店を
設置する計画だ。
コロモを運営するセブンアンダーの代表取締役、伊崎真一さんは、2006年からスニーカーを軸に
日本のストリートファッションを提案するブランド「KIKS(キックス)TYO」の販路を46カ国にを
広げてきた。その経験から「世界では日本のカルチャーのニーズが驚くほど高い」と実感し、
漫画など日本独特のポップカルチャーをファッションに取り入れて“世界発信”する新会社、
セブンアンダーを設立した。その第1弾ブランドがコロモだ。
人気漫画のほか、カメラマンの米原康正さんがほしのあきさんなどグラビアアイドルを撮影した
写真や、カシオ計算機の腕時計ブランド「Gショック」などをプリントしたTシャツも売り出している。
伊崎さんは、「キャラクター本来のオリジナリティーを、変にいじらずストレートに出す。それを
いかにカッコよく見せるかにこだわっている」という。
原宿店オープンの目玉商品として、版権管理大手のぴえろと組み、人気アニメ「クリミィーマミ」や
「NARUTO」のキャラクターTシャツもそろえる。また、パリの有名セレクトショップ「コレット」と、
ハローキティのコラボTシャツを制作し、両店で売り出す予定だ。
8月末には海外向けサイトもオープン。9月6日から10月5日までは、米ニューヨークのカジュアル
衣料店「GAP(ギャップ)」で、コレットとのコラボTシャツを販売する。
一方、カジュアルウエア大手のユニクロも海外で漫画のTシャツを販売している。
3月から小学館の「週刊少年サンデー」、講談社の「週刊少年マガジン」と組み、両誌が掲載してきた
漫画の歴代人気キャラクターをプリントしたTシャツを、来年3月まで毎週新しいデザインで
発売していくコラボ企画を行っているが、米国、英国、中国、フランスなど海外6カ国の支店でも
販売している。
「反応はすごくいい」(広報部)と手応え十分で、4月にはフランスにある欧州最大級の百貨店、
ギャラリー・ラファイエットでも漫画Tシャツを中心とした1カ月の期間限定ショップを開き大好評を
博した。
また、日本の有名ファッションブランド「コム・デ・ギャルソン」は、8月2日に他界したギャグ漫画の
巨匠、赤塚不二夫さんの代表作「おそ松くん」に登場するキャラクターのシャツや靴を今年から
販売しているが、海外からの引き合いが増えているという。
FujiSankei Business i.
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