北米のアニメ情報サイト アニメニューズネットワーク(Anime News Network)の報道によると、
日本では今年10月から放映予定のテレビアニメ『スキップ・ビート』が、台湾でも同時に放映される。
これは8月13日から18日まで、台北で開催された第9回漫画博覧会で明らかにされた。
作品は台湾の群英社(Top-insight)がライセンスを獲得しており、
現地のペイ・パー・ビューテレビで日本とほぼ同時に放映するとしている。
群英社(Top-insight)は、日本アニメを台湾で手がける最大手企業で、
『ポケットモンスター』や「ガンダムシリーズ」、『名探偵コナン』など
数多くの人気作品の放映やDVD発売で実績がある。
それでも今回のようなテレビアニメの日台同時放送は異例のことである。
国内外の同時放送が難しいのは、日本のアニメは国内放映ギリギリのスケジュールで制作されており、
翻訳にかかる時間を取ることが難しいことや、ライセンス契約の手続きの問題とされている。
海外のファンからのニーズは高いがこれまでは実現は困難とされてきた。
しかし、今年に入ってから、国内外同時展開のビジネスの試みが現れ始めている。
今年7月にはシンガポールのメディアコングロマリット メディアコープ(MediaCorp)とOdexが、
テレビとオンデマンド配信を利用して『ネオアンジェリーク Abyss』や
『ゼロの使い魔?三美姫の輪舞?』を日本とほぼ同時に放映すると発表している。
また、PS3専門コンテンツとして「PLAYSTATION Network」でリリースされた『亡念のザムド』は、
北米先行で7月に既に配信されている。しかし、日本での展開は9月予定となっている。
さらにGDHも動画共有サイトを利用した新番組の国内外と同時リリースを試みている。
こうした国内外同時展開の試みは、海外ファンのニーズを満たす目的がある。
さらに、インターネット上に蔓延する違法にアップロードされたアニメ動画ファイルに
対抗する狙いもある。
違法アニメ動画ファイルが作成される大きな理由に、日本のテレビ放映や映像パッケージの発売と
海外のそれに時差があることが挙げられるからである。現在、日本のアニメの新作情報は
インターネットを通じて海外に伝わるが、海外での放映や映像パッケージの発売は、
それよりかなり遅れる。結果として、違法ファイルとそれに独自の日本語字幕をつけた
ファンサブを視聴するファンの需要が産まれている。
国内外の同時展開は、違法動画による視聴をしてきたアニメファンを
合法的なコンテンツ視聴に引き込む役割が期待できる。
さらに、違法行為に法的なアクションを取る場合、被害状況の立証が容易になることも
メリットである。そして、違法配信停止後のファンの視聴ニーズの受け皿ともなり得る。
アニメニューズネットワーク(Anime News Network)
http://www.animenewsnetwork.com/ Skip Beat Anime to Run Simultaneously in Japan, Taiwan
http://www.animenewsnetwork.com/news/2008-08-14/skip-beat-anime-to-run-simultaneously-in-japan-taiwan 群英社(Top-insight)
http://www.my-cartoon.com.tw/ 第9回漫画博覧会
http://www.ccpa.org.tw/comic/001.htm animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/08/post_425.html