韓国ソウル市ソウル貿易展示場において、7月24日〜27日の4日間「e-stars Seoul 2008」が
開催された。
「e-stars Seoul 2008」はソウル市による主催で昨年から始まったe-Sportsイベントだ。韓国発の
世界大会「Wourld Cyber Games」が国外で開催されている間、韓国国内で行なわれる世界大会を
維持していくのが狙いで、ソウル市が今後5年間毎年予算を取って本大会を開催していく。
本大会に盛り込まれた競技種目は、韓国産オンラインゲームタイトルによる「Asia Championship」では、
オンラインFPSの「サドンアタック」、オンラインバスケットボールゲーム「FreeStyle(邦題:「フリスタ!
- Street Basketball-」)」の2種目。海外からの招待選手を中心に争われる「大陸間カップ」では
FPS「Counter-Strike 1.6」、RTS「Warcraft III: Frozen Throne」の2種目で競技が行なわれた。
日本からは、「サドンアタック」と「フリスタ!」の2タイトルに出場。「フリスタ!」は日中韓タイの
4か国によるトーナメントが行なわれ、日本チーム「FreeStar」が中国を下し、準優勝を飾った。
初日の開会式こそアイドルグループ目当ての女性ファンが多数詰め掛けたが、とてもゲーム
ユーザーが観覧しにきた雰囲気ではなく、会場内で大会と同時運営されていた「Audition」や
「Huxley」といった人気コンテンツにも食いつきはいまひとつという様子だった。
特に大会のスケジューリングは最悪で、集客の見込める準決勝戦を平日の昼間に行なう一方で、
日曜日の「アジアチャンピオンシップ」決勝戦は18時という遅い時間から行なわれた。閉幕式まで
観ると終わるのは22時過ぎだ。同時接続20万人といわれるゲームの国際試合の準決勝戦を
観に来るユーザーが2桁しかいないという光景は明らかに異常で、日本でもよく話題になる役所の
税金無駄遣いと似たような雰囲気を感じてしまった。
本当にゲームユーザーを会場に呼び込みたいのかそうでないのか、ソウル市がイベント全体として
何を狙っているのかが本当に分からなかった。大会の演出に関しても、国際大会と位置づけるには
首をかしげざるを得ない演出、催しも多々あり、このままでは衰退してしまうことが予想される。
また、韓国では「StarCraft」以外のコンテンツでe-Sportsイベントをランニングできるような成功例が
しっかりと確立できていないことも今回の取材で痛感した。メーカーレベルでは、成功例はいくつも
あるが、国際試合となるととたんにボロを出すのは何故なのだろうか。「自治体が主催しているからダメ」
と言われないためにも、ユーザー本位の視点からイベントコンセプトを洗いなおすべきだと思う。
GAME Watch(一部抜粋)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080805/korea_38.htm