7月29日、大手アニメ製作会社東映アニメーションが、平成21年3月期第1四半期の決算を発表した。
アニメ制作や番組販売が中心となる映像製作・販売事業の売上は前年同期比で減少したが、
版権事業や商品販売部門の好調もあり、前年同期を大きく上回る好調なスタートを切った。
連結売上高が前年比12.3%増の53億9700万円となったほか、
営業利益は9億3100万円(前年同期比125%増)と経常利益は11億2800万円(同106.3%増)と
いずれも倍以上になった。当期純利益は、5億6400万円(同92.3%増)である。
好調だったのは版権事業である。国内では『Yes!プリキュア5GoGo』や『ドラゴンボールシリーズ』
が好調で、前年同期の10億7400万円から17億7100万円まで急拡大している。
遊技機関連の売上高も前年を上回った。
一方海外版権では、5億9800万円の売上高のうち86%が『ドラゴンボール』となり、
この作品が圧倒的な存在となっている。これは『ドラゴンボールシリーズ』が、
ヨーロッパでゲームと関連商品、北米地域でゲームが好調に推移したためである。
版権事業の売上高は23億6000万円(前年同期比53.8%増)、
営業利益は8億9500万円(前年同期比34.2%増)である。
これに対して映像製作・販売事業は伸び悩んだ。これまで順調に拡大してきた
テレビアニメ制作部門の売上高が制作本数の減少により、8.7%の減少となっている。
劇場アニメと海外映像販売も減少した。
さらにパッケージソフト(DVD)部門は、第1四半期に大きなタイトルがなかったことから不調だった。
こちらは、下半期に『スラムダンク』や『キン肉マン』といった大型タイトルが控えており、
今後に期待がかかることになる。
関連事業では、商品販売部門で『Yes!プリキュア5GoGo!』、『ドラゴンボールシリーズ』、
『ワンピース』関連のキャンペーンなどが好調に稼動したことから、前年を大きく上回った。
売上高は8億700万円(前年同期比31.8%増)、営業利益は6300万円である。
映像製作・販売事業の減少と版権事業の拡大により、第1四半期は版権事業の割合が
事業ごとで最大の売上となり、全体に占める割合は44%まで拡大した。
版権事業が、同社の業績の柱を支えるものとなっている。
また東映アニメは、平成21年3月期の業績を売上高195億円、営業利益23億円、
経常利益26億円、当期純利益15億円といずれも前年比マイナス予想としている。
しかし、第一四半期の決算が前年を上回ったことで、
通期の業績でも予想以上の結果が期待されることになりそうだ。
animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/07/1q_7.html 東映アニメーション
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