【イベント】「かみちゅ!展 〜尾道に見るアニメの原風景〜」 尾道商店街で8/8より開催─ 御袖天満宮境内にて上映会も
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20数年前、夏。
ゆ「かー、みー、ちゅーーーっ」
客「おお、ありがとうございます」
ぱん、ぱん
光「大丈夫?顔、青いよ」
ゆ「うん、ちょっと疲れた・・・・zzz」
光「ゆりえ?・・・もう寝ちゃった」
祀「ゆりえ様はお休みになられましたー!、本日の祈祷はここまでー!」
光「来て貰ってごめんね。ゆりえ、おぶっていける?」
章「大丈夫です。姉は軽いですから」
祀「いろいろ無理させ過ぎたみたい。ゆりえが起きたら、無理させてごめんって伝えて貰える?」
章「祀さんがリードしてくれなければ、姉は皆に愛される神様になっていなかったと思いますよ。
それじゃ、俺は帰りますんで」
祀「なんていうか、立派な若者になったわね・・・あの子ももう高校生か」
光「そういえば、いつの間にかゆりえを『姉さん』って呼ぶようになってたし」
章「姉さん、本当に軽いな。こんな小さな体で、倒れるまで街の人達の為に・・・」
ゆ「・・・ううん、章ちゃん・・・」
章「姉さん、起きたのか?」
ゆ「私、もう、皆と同じ時を過ごせないみたい・・・zzz」
章「また寝ちゃったのか・・・」
これが姉弟の最後の会話になった。
数日後、姉は本格的に神様になることを決め、俺達からは見えなくなった。
2008年8月23日
境内にて『ゆりえ様の思い出』上映会開催。
祀「久しぶり、貫禄ついたわねー」
光「そういうあんたは小ジワが増えたんじゃない?」
光恵さんは尾道を離れ、結婚して二児の母になった。俺達の中で一番平凡な幸せを掴んだと言える。
祀姉さんは驚異の若作りで、セクシー巫女スタイルで宮司を務め、来福神社を人気観光地にしている。
健児さんは書道家として大成した。消えてしまった愛しい人への思いを紙にぶちまけることで、
作風に重みと哀愁が備わったらしい。
祀「章吉くん、みこは元気?」
章「ええ。今日来れないことを残念がってましたよ」
嘘だ。みこは「ここに来ると八島様を思い出すから」と言って来たがらなかった。
日も暮れかけてきた頃、神社の長い階段を大勢の人達が上って来た。
姉はこんなにも多くの人達に愛され続けている。
章「姉さん、どこかでこの上映会を見てるかな」
祀「きっとね。で「祀ちゃんこんなの上映しないで恥ずかしいよ」なんて言ってるよ。」