日本アニメ・マンガのアニメエキスポ、コンピューターゲームのE3とエンタテイメントの
巨大イベントが続く南カリフォルニアで、7月23日からサンディエゴ・コミコン
(コミコン・インターナショナル2008)が開催される。23日から27日までの5日間で、
10数万人(実数)の人出が見込まれる全米最大のポップカルチャーイベントである。
このコミコンが開催を目前に、期間中に開催する400を超えるプログラムを最終発表した。
例年通り、日本のアニメ・マンガに関するプログラムも多く、のべ300本以上の作品上映や
企業や有志によるパネルと呼ばれる講演形式のイベントなどである。
このパネルで目を惹くのは、マンガ出版社VIZメディアの関わるプログラムの多彩さである。
特に今年の注目は、集英社と共催する週刊少年ジャンプ40周年記念と少年ジャンプUSA版5周年
記念イベントである。パリで大掛かりに行われた、国内でも現在進んでいる大型イベントの米国版である。
イベントに合わせて渡米する『Bleach』の作者久保帯人氏のサイン会や交流会などもが目玉だ。
久保氏は、今回のコミコン全体の特別ゲストの一人ともなっている。
このほか、マンガ、少女マンガ、アニメに関する発表も行うとしている。
イベントに参加できなくても、現地のファンには、気になるところだ。
さらに、2007年1月に米国MTV系スパイクTVで放映され好評を博した人気テレビアニメ
『アフロサムライ』の続編の発表が行われるのもビックイベントである。
発表会には作品のエグゼクティブ・プロデューサーで人気俳優のサミュエル・ジャクソン氏、
原作者岡崎能士氏、音楽のRZAといった豪華な面々が登場する。制作は日本のアニメスタジオGONZO、
前作に引き続きハイクオリティーな映像と物語を実現させそうだ。
発表会では世界に先駆けて、映像の一部がプレミア公開される。作品に対する高い評価に加えて
DVDセールスの好調もあり、続編は早い段階から期待されていた。いよいよそれが姿を見せる。
このほか『遊戯王5D's(英語版)』のワールドプレミア、カプコンによる『Street Fighter IV』の紹介、
さらにバンダイ・エンタテイメントも、パネルを設けて最新のアニメ情報を紹介する予定である。
コミコンのアニメ・マンガ関係のパネル総数はアニメエキスポよりも少ないが、
「Manga: Lost in Translation」、「The Secret History of Manga in the U.S」、
「State of the Animation Industry」といったアニメエキスポには数少ない、
企業サイド以外からのパネルがあるのも特徴になっている。
コミコンは米国の出版社や映画会社などの大企業が多いことから、個別企業の作品紹介や
発表の存在感が薄くなりがちである。このためアニメエキスポに出展し、
コミコンには出展しないアニメ関連企業は多い。
一方で、大手企業を中心に、アニメエキスポより、コミコンを発表、宣伝の場として
重視するケースも増えている。もともとコミコンがアメリカンコミックスのイベントから
始まった歴史もあり、マンガ出版社にその傾向が強い。週刊少年ジャンプ40周年イベントを行う
VIZメディアに加えて、デル・レイ、Tokyopopなどである。
日本関連のニッチ市場から、より大きな市場を狙っている企業も同様である。
カプコンやバンダイ・エンタテインメントの出展などがそうした例といえる。
日本のアニメ・マンガを特定ジャンルとしないで、ポップカルチャー全体のなかで
ひとつとして見て貰う戦略と言えるだろう。
コミコン・インターナショナル2008
http://www.comic-con.org/cci/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/news/archives/2008/07/723_40.html