米国のポップカルチャー情報企業のICv2によれば、日本マンガ出版大手のVIZメディアは、
今後、日本作家のマンガだけでなく、米国人によるマンガを取り上げる方向だという。
7月14日付けの同社のウェブサイトのインタビューで、VIZメディアのスタッフがその目的を語っている。
記事によればVIZメディアは、既に何人かのアーティストとも話し合いに入っているという。
VIZメディアは日本の小学館・集英社系の米国法人で、両社の作品に加えて白泉社などの作品も扱う。
同社は北米市場のシェアトップだが、これまで日本のマンガ家の作品以外の作品は取り扱っていない。
一方、Tokyopopなどのライバルのマンガ出版社は、日本のマンガ以外に米国出身のマンガ家の作品や
韓国のマンガを販売している。しかし、一部の作品以外では、これまでのところ確かな実績を残していない。
北米市場ではマンガの売上はアニメ展開と連動する傾向が強いとされている。
日本のマンガと較べてマルチメディア展開が弱い米国産、韓国マンガは、最初から不利な状況にある。
それでも多くの出版社がこうした作品を手がけるのは、ライセンス料の高騰している日本マンガに較べ、
これらの作品はコストが低く、採算分岐点が低いためである。
こうした点では、日本の有力出版社から人気作品のライセンスを多く獲得しているVIZメディアに、
米国産マンガを手掛けるモチベーションは高くないはずである。
それでも今回、VIZメディアが新たに米国産のマンガの展開を目指すのは、目先の利益よりも、
むしろ将来に対する投資と考えられる。日本マンガの人気が米国で本格的に高まったのは
2000年代に入ってから、今後こうした世代がマンガの描き手に育ってくることは十分に考えられる。
また、そのなかから豊かな才能が生まれることもあるだろう。
また、アニメーションやキャラクターの分野では、既に米国生まれの日本スタイルの作品が
現地のニーズを掴み始めている。マンガにおいてもこうした分野が今後有力な市場に
育ってくるとみられるからだ。
ICv2
http://www.icv2.com/ Viz Seeks Original Comics
http://www.icv2.com/articles/news/12900.html animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/07/viz_6.html