碓氷峠を走行した往年の機関車モデルが、トロッコ列車に“復活”へ−。
「碓氷峠鉄道文化むら」(安中市松井田町)のトロッコ列車に、
一九九七年に廃線となった旧信越線の横川−軽井沢駅間で走行していた車両をイメージした、
新しい機関車が登場する。デザインは鉄道ファンや地元住民に長年愛された「EF63」が有力。
鉄道文化むらの開園十周年に合わせ、来年度にも運行を開始する見通し。
鉄道文化むらは一九九九年に開園。二〇〇五年に廃線の線路を利用した約二・六キロで
目玉のトロッコ列車を運行開始し、昨年度までに延べ三十万人以上が乗車している。
現在使用している機関車は保線車両。製造から三十年以上経過し、運行に支障はないが、
一部の部品が老朽化している。
運行区間には坂道もあり、安全に万全を期すために年内にも新車両を発注することになった。
岡田義弘市長も既に先月下旬の定例会見で、九月の補正予算案に建造費を計上する方針を表明している。
EF63は碓氷峠向けに開発され、鉄道ファンたちから「ロクサン」の愛称で三十年以上親しまれてきた。
現在、EF63は園内に数両あり、一部を約四百メートルのみ運転体験できるが、数万円の代金が必要。
EF63のモデルがトロッコ列車に登場すれば、来園者は千円前後で廃線前の疑似体験が手軽に味わえる。
外観のイメージでは、EF63より前に運行していた「ED42」とする案もある。
機関車はディーゼルとし、けん引力を現行の二十五トンから四十トンに、
速度も倍速程度に引き上げる予定。新造費は約一億円の見込み。
埼玉県では昨秋、大規模な鉄道博物館が開業し、鉄道文化むらとの競合も心配されている。
鉄道文化むらを運営する碓氷峠交流記念財団の白石敏行理事長は
「こちらには、列車が自然の中で、実際に使われた線路で動くという特長がある。
(国重要文化財の)碓氷峠鉄道施設が世界遺産の暫定リストに登載される中、
近い将来を見据えて新しい機関車の導入に取り組みたい」と期待を込めている。
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20080707/CK2008070702000146.html http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20080707/images/PK2008070702100037_size0.jpg 碓氷峠鉄道文化むら
http://www.usuitouge.com/bunkamura/