【音楽】「KORG DS-10」開発者インタビュー DSでフル動作するアナログシンセを作り出した人たち
「KORG DS-10」(以下、DS-10)の発売元であるAQインタラクティブの岡宮道生氏、岡宮氏とともに本プロジェクトの
プロデューサーを担当するキャビアの佐野信義氏、元になったシンセサイザー「MS-10」のメーカーであるコルグの
佐藤隆弘氏と井上和士氏、DS上のサウンドドライバを担当したプロキオン光田康典氏と主要開発スタッフが勢ぞろいした
インタビューは、インタビュワーがMS-10発売当初からのユーザーということもあり、非常に「濃い」内容となった。
なお、+D Games編集部では、事前にDS-10の開発途中版をお借りして試用したうえで質問している。
■発想の源は、「DSの開いた形」
――MS-10からその上位機種であるMS-20、MS-20をソフトウェアシンセサイザーにしてUSB接続のミニコントローラを
つけたレガシーコレクションと、個人的にずっとMS-10/20を追ってきて、DS-10で3世代目のユーザーになるので、
ぜひお話を聞かせていただきたいのですが……。まず、なぜ30年前の、しかもモノフォニックシンセを選んで、
それをニンテンドーDSに載せようと思ったのか、その発想はいったいどのあたりからやってきたのかを知りたいです。
岡宮道生氏(以下、敬称略) もともと佐野さんとわたしとでゲームの新しい企画を考えていて、「何をやったらいいか」
と話していたら、佐野さんが、KORG MS-10というのがあって、DSを開いた形が似ているじゃないですか、という話になって。
佐野信義氏(以下、敬称略) 遠目に見ると似ているんですね。もとは飲み屋のバカ話なんですよ(笑)。その場は
ワッハッハで終わってしまったんですけど、岡宮さんは年上だし、何かアクションを起こさないと怒られてしまうと
次の日に思ったんです。そういえば、コルグさんと名刺交換させていただいたのを思い出して、何年ぶりかで連絡して、
ニンテンドーDSにシンセサイザーを載せるアイデアを話したんです。最初は「できるはずがないじゃないか」と
一蹴されて終わりかと思ったんですけど、ことのほか反応がよろしくて。
佐藤隆弘氏(以下、敬称略) わたしたちはレガシーコレクションを作っているチームなんですけど……
お買い上げありがとうございます(笑)。ちょうど、DSで音楽ツールを作れないかというリサーチを、
新しいプロジェクトと並行して進めていたんです。そのときに偶然、佐野さんからこういうオファーを
いただいたので、話がトントン拍子で進んで、開発協力をさせていただくことになったんです。
佐野 それが1年以上前ですね。それと同時に、DSの中にいれる技術というのがわたしどもにはなくて、プロキオンさんが
DSのサウンド周りの技術に長けているという話を聞いていたもので、前から光田さんと知り合っていたので、興味ありますか
とメールで尋ねてみたんです。そしたら返事が速かった。付き合いはじめのカップルみたいに(笑)。
光田康典氏(以下、敬称略) やります? やりましょう。いいっす。いいっすよ、みたいな。
佐野 こんな軽くていいの、みたいな。
――プロキオンさんも、MS-10、レガシーコレクションというのはご存知で、
ソフト音源化されているということは分かった上で判断したと。
光田 ぼくも持っていて、よく使ってますんで。うちの会社は基本的にゲームプラットフォームでサウンドドライバ周りの
ミドルウェアを作っているんですけど、そのオファーをいただいて、「DSなら任せてくださいよ」ということで。
じゃあ、やりましょう、とトントン拍子に。
佐野 最初は「調子に乗ってんじゃない」と怒られるかと思っていたら、両社から「行けるんじゃないか」
という反応があったんで、「これは!」という流れですね。
――技術的に可能だ、というのはどの辺で判断されていたんですか? モノフォニック(単音)だからOKだとか。
光田 うちで作っているドライバというのは、基本的に16チャンネルのシーケンサーが低レベルのCPUで
動くんです。DS-10の場合にはゲームの画面描画がないので、余ったCPUパワーを全部シンセサイザーに
持っていけばかなり動くのではないかという単純計算で。それで、「やりましょうか」と。
佐野 世界的に見ても、これはドリームチームなんですよね。コルグさんとプロキオンさんのように
技術を持っているところはほかにないはずなんで。ぼくはその天才たちの中で、「のび太」の役なんです。
>>2へ続く
ITmedia +D Games
http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0806/27/news056.html KORG DS-10 | AQ INTERACTIVE
http://www.aqi.co.jp/product/ds10/
――1年2年かけて、そういうことになったんですね。それはすんなりいったんですか?
佐野 こういうジャンルでこういうゲームのといったら伝わるんですけど、楽器だというのはなかなか伝えにくいですね。
岡宮 新しい切り口なんで、弊社内でもそれを認めさせるために時間が必要でした。ぼくらはいけると
思ってるんですけど、ゲームというくくりではないですし、楽器ということだと楽器流通も分からないし、苦労したんです。
――シンセを学びましょうといったチュートリアルとか、ミニゲームみたいのは入れようと思わなかったんですか?
岡宮 ツールとしての機能が失われるのだったらやりたくないという考えでした。
佐野 まずは音ありき、で。
――MS-10の再現ならできる、ということでやろうと思ったわけですか?
佐野 それができるということが、コルグさん、プロキオンさんの読みだったわけです。
■なぜMS-20ではなく、MS-10なのか
――個人的には、これはMS-10ではなくて、上位機種であるMS-20がモデルであると
うたってもよかったんじゃないかと思うんですが。
佐野 フランクフルトのミュージックメッセに出展してきたんですが、みなさんそう言うんですよね。
これはVCOが2つだから、MS-20じゃないか、みたいな(MS-10はVCOが1つ)。
――VCOが2つだけならいいですけど(笑)。フィルターが、MS-10のローパスフィルターだけじゃなくて
ハイパスフィルターも、バンドパスフィルターもあるんですよね。MS-20みたいに。
佐野 はいはいはい(笑)。
佐藤 MS-10をベースに考えて、弊社内でシンセサイザーとして必要なパラメータを揉んだんですよ。
その結果を今回採用したというわけです。MS-20ではないんですよね。
――どのへんがMS-20でないんでしょう?
佐藤 パッチ部もそうだし、MS-20とはいえないよね、という話で。
井上和士氏(以下、敬称略) 独立したローパスフィルター、ハイパスフィルターがあるわけではないですし。
フィルターはMS-20の特徴ですから、その意味においてMS-20とは言えないかな、と。
佐野 ぼくのほうの答えとしては、DS-10(ディーエステン)は音の響きがいいじゃん、ということで(笑)。
DS-20(ディーエスニジュー)だとねえ。トゥエンティーという人もいないですしね。
岡宮 もともとこれを始めたときのイメージコンセプトはMS-10だったんですよね。
ぼくも佐野さんも、MS-10に思い入れがあったんです。
――その思い入れはどこから?
佐野 それは最初に買ったシンセがMS-10だったから。
岡宮 ぼくも最初に触ったシンセはMS-10で。
佐野 もちろんぼくもMS-20がほしかったんですけど、お金がなくて、お年玉が足りなくて、中古を2万円で買いました。
岡宮 最初に触ってもらえるシンセを目指したかったんですよ。結果的にパラメータががーんと入ってMS-20に
近い感じにはなったんですけど、ぼくらの気持ちはMS-10ですね。
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――MS-10が出たときにはすごく衝撃的で、それまでのシンセが10万円以上、自由に音色をいじれるものはさらに高くて、
という状況でした。MS-10のおかげでシンセマニアが生まれたのだと思っています。そのムーブメントをこれで、
起こしてやる、という意気込みが感じられます。
岡宮 まさにそうです。ありがとうございます。
佐野 ぼくはリアルタイムではないですけど、衝撃的でしたね。
――これがあれば何でもできる、と思ってました。今の売れ行きを考えると、DS-10も相当いけるのではないでしょうか。
■リアルタイム演奏も「うまく弾けるように」
――同じコルグさんの携帯シンセサイザー、KAOSSILATORも大変なヒットですよね。並行して
プロジェクトが動いていて、その機能の一部がDS-10にも含まれたという感じなんでしょうか?
佐藤 KAOSSILATORやKAOSS PADというのは、当社が長年培ってきたハードウェア楽器ならではの優れた操作性や
サウンドを持っていると思います。その良さを採り入れたいと思ったので、タッチコントロールによる入力だとか、
パラメータのコントロールといったところに採用したんですよ。その意味では、使われ方が違ってくると思うんです。
両方ともその良さがあるんで、両方使ってほしいな、と思ってます。
――両方買って、同時に演奏してほしい、と。
佐藤 ぜひ!(笑)。
――DS-10は押したとたんに小節がスタートする、というのは可能ですか?
佐野 できますよ。
――それはすばらしい。ポータブルな楽器を作るときにはなにがなんでもDSでなければならないということはないのでは
と思いますし、ほかの選択肢もあったと思うのですが、DSを選んだ理由は?
佐野 最初は、まさにその形ですね。あとは2画面ですね。
岡宮 ガジェット自体の魅力ってあるじゃないですか。ニンテンドーDSというのはそういう魅力もあると思うんですよ。
2画面あって、タッチペンというので。その結びつきが魅力的だと思いますね。タッチペンでパッチをニュっとつなげたりとか。
――あれはスタイラスがないと無理ですよね。パッチで1つ、疑問が。ホイール
(オリジナルのMS-10には、キーボードの横に、音程や音色をコントロールできるコントロールホイールが付属していた)。
佐野 ハハハハハ。はい。いやー、なるほど。
――なんとかならんもんですかね。
佐野 それは取材ではなく、要望ですね(笑)。MS-10は、パッチを使わないという
コントロールホイールが使えないという仕様でしたよね。
佐藤 レガシーコレクションでは、パッチを使わないとホイールが使えないというところは指摘がありましたね(笑)。
――それが正しいのに(音の高さを制御するパネルに、ホイールのパラメータをつなげるパッチをする必要があった)。
佐藤 新しい人たちはそれを知らないんですよ。故障だ、故障だ、という人が非常に多くて(笑)。
佐野 実は、中身的にパンパンなんですよね。画面もそうだし、処理的にもけっこうギリギリなんで
(編集部注:製品版にホイール機能は入らないが、ホイールのような効果は、KAOSS PADモードを使えば可能だ)。
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――処理関係でもう1つ。タッチペンを押したときにリアルタイムで発音する仕組みではなくて、
シーケンサーのタイミングに合わせて発音するようになっているんですよね。
井上 そうなっていますね。シーケンサーの頭で発音をとるようにしています。
シーケンサーが止まった状態のときはタッチと同期して発音させることはできます。
佐野 レコーディングした後のことを考えて、プレイしているものとレコーディングした結果を同じにしよう、という考え方です。
――リアルタイムでクォンタイズ(演奏のタイミングのずれを修正する機能)がかかっているような感じですね。
佐野 そうです。楽器が上手でない人がこれを使うとうまくなったような気になるんです。
そこに着眼して、気持ちよさを第一に、みたいな。
――細かい仕様的な部分ですが、ゲートアルペジエイターのパターンなどをプリセットで選ぶことはできるんですか?
井上 ゲートアルペジエイターはついていません。「ELECTRIBE」と同じように、音高と音長を操作できるようになっています。
――さらに細かいところで、VCAのLEVELとBOOSTと両方ある意味は?
井上 LEVELは音量調整で必要です。BOOSTは、ちょっと歪んだ汚れ音が作れなかったので追加しました。
――エフェクターに入れるのではなくて。
井上 エフェクターのほうに置くという選択肢もあったんですけど、いろいろ考えた結果、ここに置きました。
■周辺機器の可能性は?
――次のシリーズについてはまだまだですよね。
岡宮 まずはこれに全力を投球したいですね。
佐野 もちろんこれが大ヒットしたらビッグビジネスですよね(笑)。
――わずか5000円弱で手に入る楽器なわけですからね。周辺機器も出たりとか。
佐野 いやー、夢見ますね。DSより大きい周辺機器とか(笑)。
――ギターコントローラみたいのにDSをくっつけて、さらにリボンコントローラついてる、みたいな(笑)。
岡宮 そのアイデアもらっていいですか(笑)。
――ポート1にキーボードとか、スピーカーだとかつなげる、というのもありえますよね。
佐野 ステージ上にたくさん並べたりですとか。コンパクトではありますけど(笑)。
――ポリフォニックというのはほしいですかね? DSの仕様から言うと無理ですよね。
佐野 純粋な意味でのポリフォニックシンセですね。(往年のポリフォニックシンセ・コルグPS-3200を模して)DS-3200みたいな(笑)。
井上 いまシンセは2台入ってますけど、それを1台にして2ポリにするという手もありますけど。
佐野 4ポリはできるということですよね。DS-Mono/Polyみたいな
(編集部注:4音ポリフォニックのコルグ製シンセ、Mono/Polyのこと)。
――6チャンネルのうち、メロディー部分に2チャンネルしか使えないのは理由があるんですか?
佐藤 PCMを一切使っていない本物のアナログモデリングシンセサイザーなので、
けっこうなCPUパワーを食うんですよ。それを2台動かしてるので。
>>5へ続く
■ドラム音源部分はどうなっている?
――やろうと思えば、パッドの4つのドラムのところに音程を変えたVCOを
それぞれアサインして、鳴らすというのもできますよね。
佐野 できますできます。それは裏技なんです。ゲームっぽいじゃないですか。
例えばYouTubeとかで鳴ってて、「こいつなんでこんなにポリフォニックな音場が作れるんだろう」と、
よく考えてみたらドラムのところに何度か差でやってた、みたいな。その要素は残してあるんですよ。
いまはダメです(笑)。
――ぼくも発見したんで(笑)。
佐野 ぼくのほうが先でしたよ(笑)。そういうところは残しておきたいんですよ。
ドラムって言い切っているじゃないですか。ドラムだったらピッチを変える必要もないし、
パンもボリュームも細かくエディットできなくていいという話もあったんですが、あえてそこを
できるようにしたことで、ドラムといっておきながらドラムじゃない遊び方が、
作り方ができるのがいいな、と思ってて。
――そのためにはパッドがリアルタイムで演奏できるといいなと思うんですが。
佐野 実装は予定してますが、同期・非同期というか、クォンタイズはできるようになります。
――必ずジャストなタイミングでたたけるよ、と。
佐野 リアルタイムでたたけはするけど、それはレコーディングでは再現されない、ということですね。
――レコーディングはパターン単位でしかできないんですか?
佐野 そうですね。ソングで流しながらレコーディングというのはできません。
――ソングで流しながら、1チャンネルだけはリアルタイムで弾けるというふうな。カラオケ的なことができると思うんですが。
佐野 それは考えてなかったですね(編集部注:製品版では再生のみとなった)。
――ソングのやり取りというのはできるんですか?
佐野 セッションのやりとりは可能ですね。
――セッションをほかのDS-10プレーヤーにコピーして、同時に演奏するというのはできると。
佐野 できますね。
――その場合、同期はどういうふうなかんじなんでしょうか? 片方ではソングを再生して、
もう片方ではリアルタイムで演奏する、というのができるといいんですが。
佐野 それはまさに今、開発中なところで、ドキドキしてます
(編集部注:製品版では、スタートの部分とBPMを合わせて演奏することが可能で、
音色やシーケンスパターンは、どちらでも変更できる)。
――プリセット音色は入れないんですか?
佐野 入れますけど、いわゆるそれだけでたくさんの曲が書ける、というものじゃなくて、
必要最低限なものを入れて、そこから自分でエディットしていく楽しみたいという、そういうものにしようかと。
――ドラムもキック、スネア、ハイハットくらいは入ると。
佐野 そうですね。なにか、物足りないくらいにしておきたいんですよ。
そうすると、自分でなんとかしようというふうになるじゃないですか。
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――あえて入れないというのもアリかなと思ったんですが。
岡宮 佐野さんはそう言ってたんですよ。
佐野 最初、ぼくはシンセだけでいいじゃん、といってたんですが、
さすがにそれは乱暴で。大人の意見でいまの仕様になりました。
岡宮 狙いとしては自分で作ってほしいんで、プリセットは最低限で、というのはありますね。
■ユーザーをどう広げていくか
――オリジナルのMS-10や20には音色のチャートがありましたが、それに近いものは入れるんですか?
岡宮 取説には入りきらないので、Webサイトとかでブランクのチャートを用意して、
どこかで手に入れられるようにするとか。
佐野 有名な誰だれが作ったチャートが載っているだけ、とか。普通はダウンロードしてください
とかいうところを、「見ながらやれ」と。ちょっとずれたら全然違うとか、そういうジレンマを感じてほしい、
みたいな(笑)。
――書籍とかの予定は。
岡宮 出したいですね。
――佐野さんは特別講座を準備中とか。
佐野 書籍にするよりも、ものすごい初心者向けに出したいんですよ。なるだけ専門用語は排除して。
自分で考えているだけですけど。「きょうはVCOを勉強します。DS-10には4つオシレーターがあります
(矩形波、三角波、鋸波、ノイズ)。宿題で、あなたの好きなオシレーターを考えてきてください。
ではまた来週」みたいな(笑)。
ぜんぜんシンセを知らないけど予約したって人がけっこういるんで、そういう人たちのために
何とかして今までの経験を生かして、なるべく簡単な言葉で。
――プロのミュージシャン側の反応はどうですか?
佐野 なかなか言えませんけど、国内外の著名シンセサイザー奏者から、「え、あなたシンセ使ってましたっけ」
という人まで反応があります。メッセでは「いまそこにあるそれをくれ」でしたけど。
――DS-10だけでライブとか面白そうですね。
佐野 アンプラグドみたいに。やるときには静かにしてください、みたいな。内蔵スピーカーだけで(笑)。
普通のアンプにつなげると、すごい音でますけど。
――オシレーターは自己発振もしますし(音色変化の共鳴を極端にすることで、鍵盤を押さなくても音が鳴る)。
佐野 そうですよ。コルグさんすごいですよ。ネットじゃ、コルグさんじゃないとこれは出なかったみたいな声もありますよね。
>>7へ続く
――ニコニコ動画やYouTubeでの影響は開発者から見てどうですか?
佐藤 KAOSSILATORとか、すごい演奏をする人がいるな、と。
佐野 そこにゲーム性がありますよね。すごい演奏があって、それを自分ではできない。どうやってやるんだろう、と。
そこで、攻略してやろうという気が起きるんですよね。
――その点、DS-10はシーケンサーを使えるので、敷居はある意味、低くなるかもしれないですね。
佐野 特にDS-10はいままでDTMをやってきた人だったら、いままでのTipsを入れやすいので、
アドバンテージがあって、いい気分になれるかなと。
――おっさんホイホイですね。
佐野 フランクフルトはおっさん大集合でしたからね(笑)。予想していたよりも上でしたけどね。
年齢的には60歳くらいの人がいましたよ。パッチのところはささり方がすごいですよ。
いい意味で、なんてことをしてくれたんだ、と。
――パッチは最大どのくらいささるものなんですか?
井上 1つのジャックには1本しか挿せません。ですので、最大5本になりますね。
――MIDIについては、「ない」というのを宣言したほうがいいかと思うのですが。
佐野 ない、です。
――ぼくらの世代から言わせると、もともとMIDIじゃないし、と。
佐野 はははは。そのコメントがいいですね。
――それよりはCV/GateとかHz/Voltageとか、アナログのインタフェース規格の時代ですよね。
佐野 MIDIを入れた瞬間に、クローズドな世界じゃなくなってしまうんですよね。DSの小さい世界でやっている
からこそ、脳と直結する部分があるじゃないですか。外とつなげた段階で、世界観が変わってしまうんですよね。
それは別なものになる。これは、閉じられたDSの広い空間でやりたいんですよ。
――どうしてもMIDIでやりたいのなら、レガシーコレクションで。
佐野 もちろんそうでございますから(笑)。しかも、DS-10である程度できるようになれば、
そちらにはスムーズにいけると思うんですよ。
■スケール、ネットワーク
――使ってみて思うのは、すごく気持ちよく演奏できるということですよね。
佐野 そうですよね。すごく気持ちいいですよ。
――実は、すごく気に入ったのは、鍵盤による演奏モードなんです。スタイラスを使って。
KAOSS PADよりもあっちのほうが。けっこう弾けるんですよね。空いている部分にキーをいれていくと上手になっていく。
佐野 じゃあ、KAOSS PADじゃなくて、キーボード派ですね。いろいろな派閥があって(笑)。
――KAOSS PADモードにはスケールがあるんですか?
佐野 あるんですよ。31種類。全部いく(クロマチック)のも合わせて。
>>8へ続く
――キーボードでもスケールを選べるといいんですか。
佐野 それはできないんですが、ハイブリッドでいくのも楽しいですよ。最初はKAOSS PADであたりをつけておいて、
キーボードで間を埋めてって、最後のチクチクというところをステップシーケンサーでというのがオツなやり方です。
――上の画面にメニューがあって、それをカーソルキーで上下左右させて下の操作画面を切り替えられるのがいいですね。
ネットワークはアドホックしかできないんですよね。サーバ上にデータを置くのは難しいんですよね。
佐野 技術的な問題だけでなく、いろいろあるんですよね。
――どうしても保存したい場合には4800円出すと、倍のセッションをセーブできますよと(笑)。
岡宮 そこまで言うと怒られてしまうので……。あとはぜひ、アナログで録音してとっておいてほしいですね
(編集注:製品版では18セッションまで記録できるので、実用上は十分と言える)。
――音質はどうなでしょう?
佐野 音色については、出音は遜色ないですね。フランクフルトではいいモニターで出してたんですが、
「本当にここから出ているのか」と言われました。
――ノイズを気にする人もいるかもしれませんけど、もともとノイズを出すものですし。
それよりは、ノイズがホワイトノイズだけなので、ピンクノイズがほしいところですね。
佐野 ピンクノイズ案件ですね(笑)。ぼくもピンクノイズ好きなんですよ。名前も。ピンクノイズ使います?
――雷の音とか……。
佐野 モジュレーションとかに使いませんか?
――確かにそうですね。
佐野 モジュレーションとかに使いませんでした? うすくモジュレーションをかけて……。
こんな話がはずみますよ。DSを前にして(笑)。いままで話せなかったじゃないですか。飲み屋で盛り上がりますよ、
おじさんたちに。
――夜のファミレスとかで。
佐野 外からは見たいけど、中には入りたくないなあ(笑)。
――DS-10に入ったKAOSS PADで、スケールというのはすごい発想ですよね。
佐野 最初はスケールってバカにしていたんですよ。それが、ELECTRIBEですっかりはまっちゃって。
DS-10に入れるのはストイックじゃないなと思ってたんですが、一番いま、真っ先にやってますからね。
ショウでも一番驚かれるんですよ。
9 :
なまえないよぉ〜:2008/06/28(土) 22:54:51 ID:56tkNlsS
シンセ全く知らないけど、なんか面白そうだから注文してしまった俺は、まんまと釣られたということか
11 :
なまえないよぉ〜:2008/06/29(日) 04:00:22 ID:J9zPm5xR
なげーよ。 買おうかなぁ?
DSでソフトシンセが起動できたとして何に使えばいいのかさっぱり
鍵盤使えないしシーケンサーもないんだろ
13 :
なまえないよぉ〜:2008/06/29(日) 10:26:25 ID:1YaBOJNZ
ついさっきtubeで4台同期してるのを見て2台目ポチッたわけだが。
最大8台とか想像すると漏らしそうになるわ。
まあDSなんてまだ一台も持ってないけどな
14 :
なまえないよぉ〜:2008/06/29(日) 10:36:20 ID:JHYXkJ0o
なぜかうちの部室に転がってたな>MS-10
サッカー部なのに
音楽の素養が全く無いけど光田康典信者の俺はコレ買おうかどうか
激しく困惑してる
16 :
なまえないよぉ〜:2008/06/29(日) 12:05:28 ID:R87Z/usp
KAOSS PADだけじゃね
魅力はw
17 :
なまえないよぉ〜:2008/06/29(日) 14:13:46 ID:mJiiIvKh
使い道とか考えちゃう人は買ったらいけないものだな。
18 :
なまえないよぉ〜:2008/06/30(月) 14:09:24 ID:NVHP4oaQ
関係ないけど、ミクがDSで動けば(・∀・)イイ