戦後のマンガ文化が始まってから既に60年以上経っている。この間マンガ文化は急激に成長し、
日本を代表する大衆文化となった。しかし、その一方で、近年、戦後のマンガ関連の
資料散逸が懸念されるようになっている。
そうした問題を解決すべく、戦後の日本の少年少女雑誌詳細書誌情報を広く収録した
「戦後日本 少年少女雑誌データベース」のインターネットを通じた情報提供が、
6月16日から始まった。
このデータベースは、画像、動画のアーカイブと配信システムの開発事業を手掛ける
株式会社寿限無と電子出版事業の株式会社経葉社の協力により運営される。
データベースはふたつに分けられる。昭和20年から昭和37年までの
619の雑誌、24841巻、約20万作品を扱った「戦後の少年少女雑誌、月刊誌時代」と、
昭和30年から平成19年までの602誌、5488巻17万3452件を扱った「少年・青年雑誌、週刊誌時代」である。
戦後の少年少女雑誌、月刊誌時代では、作家の遺族や発行人、編集人、著者などへの調査も行い、
雑誌からだけでは分からない情報を補強している。さらに、連載作品の掲載期間や
未完作品の調査を行うなど、単なる作品の目録を超えた幅広い情報を収録する。
データベースの監修協力には、現代マンガ図書館と川崎市市民ミュージアム、日本マンガ学会の
3つの団体が参加している。現在は約2万名の著者名寄せ作業も行っており、さらなる情報の充実を目指す。
寿限無と経葉社によれば、日本のアニメ・マンガの原点は戦後の大衆文化である少年少女雑誌にある。
しかし、これらの雑誌は消費材という性質上、発行部数に比べて現存するものが非常に少ない。
また存在しているものも紙の劣化などから保存が危ぶまれる状況にあるという。
そうしたなか経葉社は、平成6年に戦後日本の少年少女雑誌のデータベース制作に着手した。
これが今回のデータベースの基盤となっている。両社は今後も、日本のマンガ研究や
マンガコンテンツの先進性、国際性の推進のために本データベースの更新を続けるとしている。
データベースの利用は有料で、閲覧出来る内容によりAコース38万円(年間)からCコース6000円(同)まである。
また、学術的利用や公共図書館の利用には、Aコースのディスカウントコースが用意されている。
戦後日本 少年少女雑誌データベース
http://manga-db.fms.co.jp/bgmag/ 株式会社 寿限無
http://www.jugemu-tech.co.jp/ 株式会社 経葉社
http://www.keiyou.co.jp/ animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/06/20_1.html