●小野プロデューサーのアツき想いがココに!
アーケード版の稼動にさき駆け、家庭用移植が決定した『ストリートファイターIV』。
週刊ファミ通6月13日号(2008年5月30日発売)では、本作のプロデューサーを務める
小野義徳氏のインタビューを掲載した。ここでは、誌面では掲載しきれなかった部分も含め、
インタビューの全文を公開しよう。
プロデューサー小野義徳
株式会社カプコン、『ストリートファイターIV』プロデューサー。これまで、『ストリートファイター』
シリーズには、『III』や『ZERO』などにサウンドスタッフとして開発に携わってきた。
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――アーケード版の『IV』をプレイさせてもらったのですが、『II』の感覚で違和感なく遊べますね。
小野義徳(以下、小野) それは最高の褒め言葉ですよ(笑)。『IV』は30代の人がメインターゲット。
『ストリートファイター』の”R35”というイメージですから。というのも、「当時『II』をプレイした人が
イメージしていたとおりの状態に仕上がっていればいいよね」とスタッフに言いながら開発して
きましたからね。当時『II』をプレイされた人に「何? これ『ストリートファイター』?」じゃなくて、
「ああ帰ってきたね」と言ってもらえるような作品を目指したので。
――やはり開発のイメージとしてあったのは『II』なのでしょうか?
小野 そうですね。『IV』の制作が決まったときに、『III』の続編を作るという考えかたはしなかったんですよ。
じゃあ『III』は『II』の続編じゃないかというと、僕も『III』の開発チームにいましたから、
あの当時の続編はあれで正解だったと思います。みんなが「もっとストイックに」、「もっとシビアに」
という時代でしたからね。でもいまは、もう一度『II』に戻って原点回帰をして、純粋に『II』を遊んでいた
人たちが楽しめるような『II』を出してみようと。『III』の続編を作るということは、将棋で言うところの
最高峰のタイトル戦”竜王戦”を戦うようなものだと思うんですよね。そんな難しいものをやるべきか、と。
そういう難しい将棋より、縁側でおじいちゃんと簡単に指して「おもしろいよね」と感じてもらえるくらいの
難易度に落とし込んだほうが、多くのユーザーに喜んでもらえると思ったんです。
――3Dのゲーム性にするということは考えなかったのですか?
小野 開発当初は、3D格闘ゲームを作ろうという機運が社内にあったんですよ。
ほかのチームのスタッフからも「いまさら2Dはないだろう」と言われまして。
でも、2Dのゲーム性だから『ストリートファイター』なのであって、3Dのゲーム性に変えるなら
新しい作品を出したほうがいいだろう、ということになりました。
――なるほど、それでゲーム性は2D、グラフィックは3Dという形になったんですね。
小野 はい。ただ、ひと悶着あったのが、グラフィックを写実的にするかどうかということ。
でも僕は『ストリートファイター』はあくまであきまんさん(※1)や西村キヌ(※2)、
イケノ(※3)を始めとしたデザイン室の人間が描いてきた絵のイメージを大切にすべきだと思っています。
つまり、その時代の最新テクノロジーでデザイン室の人間が描いた絵を、ゲーム内で動かすということが
本質だろうと。そこで、絵を動かすという部分に、”3Dという筆”を使うことで、『II』のときのような衝撃が
また出せるのでは、と思いました。
――2Dでキャラクターを描くということは考えなかったのでしょうか?
小野 「2Dでセルを使ってやればいいんじゃないの?」という話もありましたが、
セルや2Dドットは『III』ですべてやり尽くしたと思っています。あれが根性と気力の限界だったのかなと(笑)。
(以下、全文はソースをご覧ください)
『ストリートファイターIV』開発者インタビュー全文掲載 / JOBエンタ
http://jobent.jp/sp/1215825_1779.php