人気テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』のデジタルコンテンツ事業を行う
共同出資組合アンパンマンデジタルLLP(有限責任事業組合)(APDLLP)が、
フレーベル館、トムス・エンタテインメント、日本テレビ放送網の出資で設立される。
フレーベル館は『アンパンマン』の原作マンガを取り扱っており、
トムス・エンタテインメントはアニメの製作、日本テレビは放送事業を行っている。
デジタルコンテンツの展開にあたり主要な事業者がLLPを設立するかたちとなる。
APDLLPの出資金は3億円、フレーベル館、トムス・エンタテインメント、日本テレビ放送網の3社が
それぞれ1億円ずつ分担する。ケータイコンテンツ、アニメコンテンツ、放送メディアの協力で、
有力タイトルのデジタルコンテンツ分野を活性化する。
具体的な事業としては、モバイルサイトやwebサイトの運営、動画配信、電子書籍、ゲーム、
さらにeコマースなど幅広いデジタルコンテンツ分野が挙げられている。
LLPを利用した一元的な事業運営で『アンパンマン』ブランドのさらなる確立と
市場創造を実現する。また、事業を通じた新たなユーザーの獲得も目指す。
『アンパンマン』はマンガ家やなせたかしさんの原作をもとに、1988年からテレビアニメを製作し、
現在も日本テレビ系で放映中である。わかり易いキャラクターと物語で、幼児層に絶大な人気を誇っている。
およそ20年に及ぶ放映期間で、エピソード数は今年春(5月23日現在)には940話になり、
来年には1000話に達する見込みである。また、今年12月には第20作目にあたる劇場アニメも公開される。
国内有数のアニメコンテンツであり、最も成功したアニメコンテンツのひとつである。
しかし、『アンパンマン』のコアターゲットが幼児であるのに対して、モバイルやインターネットなどの
デジタルコンテンツの利用者は、中学生より上の世代とみられる。
事業の成功のためには、子供たちに親しみ易いかたちでデジタルコンテンツを提供するサービス手段の
開発が重要になるだろう。それと同時に『アンパンマン』をキャラクターとして売り出し、
ユーザーターゲット層をこれまでより高い年齢層に広げるなどの戦略も今後必要になるだろう。
APDLLPの事業の第1弾は『アンパンマン』の公式モバイルサイトのリニューアルとなる。
6月23日にNTTドコモの公式サイトをリニューアルするのを皮切りに、
6月26日にはKDDI、7月1日にはソフトバンクモバイルと続けてリニューアルオープンする。
さらに、7月1日には、『それいけ!アンパンマン』ポータルサイトをあらたに立ち上げる。
モバイルのコンテンツ強化で、モバイル事業の強化をする構えである。
『アンパンマン』の関連では、2006年8月に横浜みなとみらいにオープンした
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」の高い人気と成功が話題になっている。
この「横浜アンパンマンこどもミュージアム」の運営にあたっても、
独自のLLP「アンパンマンミュージアム&モール有限責任事業組合」が設立されている。
『アンパンマン』はキャラクター事業の拡大にあたっては、事業ごとのLLPの活用を考えているようだ。
これはアニメ製作やキャラクター事業全体でも、LLPの活用が増えている表れとも言えるだろう。
アンパンマンデジタルLLP(有限責任事業組合)
設立:2008年6月16日(予定)
出資金: 3億円(フレーベル館 1億円、トムス1億円、日本テレビ11億円)
事業場所: 株式会社フレーベル館
存続期間: 2008年6月16日(予定)から2012年12月末日まで
公式ケータイサイト:
http://anpanman.jp animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/06/_llp.html