第三セクター三陸鉄道(山口和彦社長)は本年度、旅客事業などに加え、物販事業にも力を入れる。
既に商品化されている「三鉄赤字せんべい」「また乗レール」(マドレーヌ)などの
オリジナル商品に加え、新たな商品開発を進める考え。物販事業へのてこ入れで
鉄道収入の不足を補い、「三陸」の知名度アップと地元商品の全国発信を狙う。
三陸鉄道は現在、携帯ストラップや車両型警報ブザー、キーホルダーなどグッズ類10種類と
せんべい、マドレーヌ、「赤字カットわかめ」、昆布巻きなど食品9種類を販売。
2006年12月から販売を始めた「三鉄赤字せんべい」は山田町の菓子工房三石が開発。
苦しい台所事情を表すストレートな商品名、ゴマと青のりの風味が効いた甘いクッキーのような
仕上がりが好評で、昨年度は1カ月平均約30万円の売り上げがあった。
女性運転士をキャラクター化した「久慈ありす」も人気を集める。
今年4月には「久慈ありすの好物はホヤだった」−との設定で、ホヤの薫製を新発売。
25グラム入り400円を1カ月で400個売るなど好調だ。
三陸鉄道は昨年度、営業企画課内に物販セクションを設置。
本年度から物産企画課を新設し、3人の職員体制を敷いた。
物販事業の売り上げは昨年度5300万円で、本年度は1億円を目指す。
全国では千葉県の三セク・銚子電鉄が
「電車運行維持のために『ぬれ煎餅(せんべい)』を買ってください」
と呼び掛け、注目を集めた例もある。
三陸鉄道の07年度決算は経常赤字が1億715万円。
旅客収入は前年度比3・8%増の3億9741万円だったが、14年連続の赤字。
県と沿線12市町村は赤字分を損失補助金として充当している。
山口社長は
「今後も旅客収入の増収に力を入れるとともに、物販を増やし、経営のプラスにしていきたい」
と意欲を語る。
岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080606_15 http://www.iwate-np.co.jp/news/y2008/m06/d06/080606santetu.jpg 三陸鉄道
http://www.sanrikutetsudou.com/