パソコンの普及などIT(情報技術)化に伴い、映像の世界が急速に膨らんでいる。従来の
「見る」ものから「作る」ものへ。全国に先駆けて大阪で誕生したCGアニメコンテストは今年で
20回目。関西のコンピューター愛好家の学生ら約20人が互いの作品を見せ合う形で
スタートし、個人制作CGアニメでは全国最大規模のコンテストに発展した。大阪を舞台に
映像の周辺で奮闘する人々を紹介する。
5月24日午後、大阪市中央公会堂で第20回CGアニメコンテストの入選作品上映会が
開かれた。
若者や親子連れなど約500人が入場。主催する「DoGA(ドーガ)」の代表かまたゆたかが
「第1回大会が開かれた89年当時は、CGを作るソフト自体が販売されていなかった。ですから、
アニメを作るにはソフトを開発しないといけない状況でした」と、思い出を交えてあいさつした。
かまたは大阪大学で「コンピュータクラブ」に所属。京都大学の学生たちと一緒に85年、
CGアニメの共同研究プロジェクトチーム「DoGA」を結成。一方で93年、株式会社ドーガを
設立し、本名の鎌田優で代表取締役に。浪速区に06年春開村した「日本橋CGアニメ村」
(4企業と2個人)に入居する。
CGアニメ入門ソフト「とてかんCG(とてもかんたんCGアニメ)」を06年、日本橋電気街で
限定発売。「小さいころから親しむのが大切」と、全国の小中学校に寄贈してきた。
ソフトを受け取った学校は、いまでは千を超える。
CGアニメコンテストには「新しい映像文化、映像産業を作っていきたい」という願いを込める。
第20回は609本と過去最高の応募があった。
最初に映し出されたのは神奈川県の山崎伸浩(25)の入選作「扉」。車が行き交う大都会の
交差点。遠景からアップになると、通行人の顔にはいずれも白い仮面。能舞台のような
「摺(す)り足」で歩いている。本音を隠さざるを得ない「仮面社会」をうかがわせる異様なシーンだ。
上映後に5秒間、拍手や歓声の音量を計測する「拍手くん」の趣向を採用。審査の参考にした。
入選、佳作と続き、最後に入賞作品。
アニメーション賞は東京都の「KELLOW☆UP DATE FILM」(30)の「パペと少年」。
魔法使い見習いの少年と人形の交流がテーマ。7分余りの作品に15カ月かけた力作。
映像賞は神奈川県の田島清美(42)の「Ascension」(上昇)。前向きに生きるきっかけを得る
瞬間を描いた、という。
この後、10月に関西空港で初めて開かれる「CGアニカップ」の出場者が発表された。
海外からは中国、韓国、台湾が参加を予定。日本代表として、「まひる・ぷれでぃくしょん」で
佳作の「ぽよ」(37)、「trip」で佳作の山口翔(23)、「アースウォード」で入選の大和秀夫(37)
の3人が臨む。
ソース:
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000170806020001 http://mytown.asahi.com/osaka/k_img_render.php?k_id=28000170806020001&o_id=2693&type=kiji アニメーション賞の「パペと少年」
http://mytown.asahi.com/osaka/k_img_render.php?k_id=28000170806020001&o_id=2694&type=kiji 映像賞の「Ascension」
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