市場調査会社のDFC Intelligenceは、今後数年の欧州市場は任天堂中心に展開するだろう
というレポートを発表しました。DFCは2007年の業界動向として2つの注目トピックがあったとして
(1)引き続きオンラインPCゲームが好調 (2)任天堂が世界規模で成功を収めたの2点を挙げました。
その上で、欧州は任天堂が唯一不得意としていたソニーのテリトリーであり、それが覆ったのは
世界全体で見ても大きな地殻変動であったと述べています。
前世代のPS2は世界的に大きなシェアを確保しましたが、欧州では特に80%を超えるシェアを
獲得するなど圧倒的でした。特にそのシェアを背景に『SingStar』やEyeToyのカメラなど
カジュアル路線が大きく成功していて(それらは今年2月にSCEを去ったフィル・ハリスン氏が
指揮していた)、それに代わって任天堂が同じようなカジュアル路線で欧州での成功を収めて
いるのは皮肉な現象だとレポートはしています。
DFCでは既に圧倒的な地位を占めているDSのみならず、Wiiも今後5年間はPS3やXbox360を
上回るペースで普及すると予測しています。
1つの象徴としてレポートではKONAMIの『ウイニングイレブン2008』(現地ではPro Evolution
Soccer 2008)が挙げられていています。世界一フットボールが愛されている欧州で、マルチ
プラットフォームの中でWii版が、ゲームのメタスコアを提供するMetacriticやGamerankings.comで
トップのレーティングを獲得したことを触れています。
ただし、欧州でもWiiが前世代のPS2のような圧倒的なシェアを占めることは考え辛く、DFCでも
シェアは50%を上回らないだろうとしています (『WoW』や『GTA4』をやりたい人もいっぱい居ると)。
また、カジュアル市場を強く意識したハードということから、タイレシオはPS3やXbox360を
下回るのではないかとしています。ただ、それでも伝統的に弱かった欧州で強さを発揮しているのは
歴史的な出来事と言えるのではないでしょうか。
iNSIDE
http://www.inside-games.jp/news/293/29380.html