JR東海は、走行中の営業列車から軌道の状態をリアルタイムに計測する技術を開発、
今後この新しい技術による計測装置を複数のN700系営業列車に搭載することになった。
現在、新幹線の軌道は月に3回(約10日に1回)、軌道の上下・左右方向の形状など
多くの項目を923形電気・軌道総合試験車“ドクターイエロー”で計測している。
“ドクターイエロー”では上下・左右方向など軌道に関する多項目の計測が可能な反面、
専用の変位計を用いて軌道の形状を直接計測する方式をとっていることから、
装置の搭載のために特別な車体構造および台車が必要となる。
一方、今回新たに開発した計測装置は上下方向のみの計測となるものの、
走行中の台車の軸箱に生じる「加速度」を計測し、
車上に搭載した演算装置において上下方向の軌道の形状をリアルタイムに計測する。
この装置がコンパクトなものとなることで、営業列車に搭載することが可能となった。
なお計測精度は“ドクターイエロー”と同等のものとなる。
装置は2008(平成20)年6月からN700系営業列車6編成に順次搭載し、
同年度中に6編成すべてに搭載を完了する計画。
この装置を搭載したN700系は、上下方向の軌道の形状について1日に複数回計測。
計測結果はリアルタイムで中央指令に送信し、
各現業所等でそれを把握することができるシステムとなる。
なお装置搭載後約1年間は機能確認を行ない、
2010(平成22)年度初頭にシステムを稼動させる予定となっている。
JR東海は今後、上下方向の軌道の形状だけでなく左右方向の形状の計測や、
軌道部材の劣化状態を予測する手法についても研究・開発を進めていく。
ホビダス・ニュース
http://www.hobidas.com/news/article/84587.html JR東海
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